万里の長城に大きな「切れ目」 地元の労働者が「近道」作ったか
スティーヴン・マクドネル中国特派員(北京)、ファン・ワン(シンガポール)、BBCニュース

画像提供, Youyu County Police Release
中国中部の山西省で、万里の長城の一部が建設労働者によって重機で取り壊され、甚大な損傷を受けた。警察は、建設作業の近道を作るために破壊したとして、38歳の男性と55歳の女性を拘束。捜査を続けている。
当局は8月24日に、遺跡に大きく途絶えている部分があると通報を受けた。
拘束された2人は、破壊された「三十二長城」の近くで働いていたが、以前から遺跡にあった隙間を広げて「大きな切れ目」を作り、重機が通れるようにしたという。
警察によると、2人は移動距離を減らしたかったと話しているという。
警察はまた、2人が「明時代の長城の完全性と文化遺産の安全性に対し、取り返しのつかない損害を与えた」と強調した。
万里の長城は、紀元前220年から17世紀にかけて建設や再建が繰り返された、世界最大の軍事建造物。1987年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。
特に、明の時代(1368~1644年)に造られた部分は保存状態が良い。破壊された右玉県の「三十二長城」もその一部で、山西省は歴史・文化遺跡として保護している。
長城の中でも特に有名な部分には、監視塔が並ぶ美しい建築が残っているが、それ以外の部分は倒壊したり、全く失われたりしている。
中国紙・京華時報の2016年の報告によると、明時代の長城の3割が完全に失われており、きれいに保存されているのはわずか8%だという。

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今回糾弾(きゅうだん)されている2人が、なぜこの世界的に有名な歴史的建造物の一部を壊すことに無頓着なのかを理解するには、その現状を考えることが重要だ。
万里の長城は、中国北部の広大な地域に広がる一連の城壁だが、その荒廃ぶりはさまざまだ。村や町の中にあることもあるが、大半は複数の省の遠隔地域にある。
数千年前にさかのぼる最も古い部分はかつては土壁だったが、今では土の山にしか見えず、すぐには長城とは分からないことさえある。
また、長城の劣化の多くは、地元の農家が家や家畜小屋を建てるためにレンガや石を盗んだことに起因している。
近年では、中国政府が長城を保護するためにより多くの労力を費やしている。それが今回、2人が大変な目にあうことへとつながった。







