ロシアの「アルマゲドン将軍」、空軍総司令官から解任=報道

Russian President Vladimir Putin awards General Sergei Surovikin, commander of Russian forces in Ukraine, with the Order of St. George, Third Class, at the headquarters of the Southern Military District in Rostov-on-Don, Russia December 31, 2022

画像提供, Sputnik/Mikhail Klimentyev/Kremlin via REUTERS

画像説明, セルゲイ・スロヴィキン将軍とウラジーミル・プーチン大統領(2022年12月31日)

ロシア軍最高幹部の1人のセルゲイ・スロヴィキン将軍が、ロシア空軍の総司令官を解任されたと報じられた。スロヴィキン将軍はここ数週間ほど公の場に姿を現しておらず、憶測が飛び交っていた。

RIA通信は関係筋の話として、スロヴィキン氏が解任されたと報じた。

スロヴィキン氏は昨年10月から数カ月、ロシアのウクライナ侵攻を総司令官として指揮していた。

6月24日の雇い兵組織「ワグネル」の反乱以降は、公の場で確認されていなかった。スロヴィキン氏の解任は、この反乱の失敗にさかのぼるとの見方も出ている。

国防筋の話として、同氏は転属のために解任され、今は短い休暇中だと報じたロシア・メディアもある。

RIA通信によると、空軍総司令官の後任にはウィクトル・アフザロフ参謀長が任命されたという。

プリゴジン氏と良好な関係

ワグネル戦闘員がモスクワへと前進した6月24日、スロヴィキン将軍は動画で戦闘員らに基地に戻るよう呼びかけた。しかし、その態度はぎこちなく、まるで人質動画のようだと言われた。

スロヴィキン将軍は、ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏と良好な関係にあることで知られていた。一方、プリゴジン氏は他の国防関係者を毛嫌いしていた。

反乱から数週間後、ロシアの軍事ブロガーの間で、スロヴィキン将軍が事情聴取のために拘束されているという、未確認の情報が飛び交った。しかし当局はこのうわさを否定。退役将軍の1人は、スロヴィキン氏は単に「休養中」だから表に出てこないだけだとしていた。

ロシア連邦航空局は今月23日、プリゴジン氏らを乗せたとみられる自家用機が墜落したと明らかにした。国営通信は、墜落現場で10人全員の遺体が確認されたと伝えている。

「アルマゲドン将軍」

56歳のスロヴィキン氏は、1980年代に旧ソヴィエト連邦によるアフガニスタン侵攻に従軍。また、シリアへの軍事介入では残忍な人物と評され、「アルマゲドン(最終戦争)将軍」の異名を持つ

ロシア軍の司令官として、そして後に空軍の司令官として、彼はシリア第2の都市アレッポの大部分を廃墟にし、反体制派が支配するイドリブ県の市民を爆撃した。ロシア空軍を率いた初の陸軍将校で、航空分野での経験はなかった。

2022年10月には、ウクライナ侵攻の総司令官に抜擢(ばってき)されたが、成功をおさめられなかった。任命されたその日には、クリミア半島とロシア本土を結ぶケルチ橋が攻撃された。数週間後には、南部ヘルソンからの撤退を指示することになった。3カ月後には、ワレリー・ゲラシモフ軍参謀総長に取って代わられ、ゲラシモフ氏の副官の1人となった。

2022年2月にウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに軍隊を派遣して以来、ロシアの軍事指導者たちはほとんど自慢できる成果がなく、多くの幹部が別の役職に移った。

スロヴィキン氏以前のウクライナ侵攻の総司令官は、ゲンナジー・ジトコ大将が務めていた。ジトコ氏は先週、モスクワで死亡した。当局は「長い闘病」の末だったと説明している。