ギリシャ沖で移民を乗せた船が沈没、少なくとも79人が死亡

画像提供, Hellenic Coast Guard
地中海のギリシャ南岸で15日深夜、移民を乗せた漁船が転覆し、少なくとも79人が死亡、100人以上が救助された。しかし生存者やギリシャ当局は、この船には数百人が乗っていたと述べている。
ギリシャ政府は、同国最大規模の移民関連の事故だとして、3日間の服喪を発表した。
沿岸警備隊によると、この船は援助を断った後、南西部ピュロスの南西沖80キロの地点で転覆したという。
沿岸警備隊によると、欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)が14日夜、国際水域上でこの船を発見した。乗船していた人々は誰も救命胴衣を着けていなかった。
ギリシャの国営放送(ERT)は海運省の資料を引用し、当局はこの船に衛星電話を使って何度か連絡を取り、援助を申し入れたと報じた。船側は繰り返し「イタリアに行くことだけを考えている」と回答したという。
しかし数時間後の15日午前1時ごろ、乗船していた人がギリシャの沿岸警備隊に、船のエンジンが故障したと連絡してきたという。
その直後に船は転覆し、10~15分で沈没した。すぐに捜索・救助活動が始まったが、強風のために難航している。
海上で困難に見舞われた移民のためのヘルプライン「アラーム・フォン」は、沿岸警備隊は「救助を送る数時間前から船が遭難していることを認識していた」とし、当局が「異なる情報源から船が困っていると知らされていた」と付け加えた。
また、ギリシャ政府は「恐ろしく機械的に(移民の)入国を阻止するのがならいとなっている」と船内の大勢が知っていたため、ギリシャ当局との遭遇を恐れていた可能性があると述べた。
この船はリビアからイタリアに向かう予定で、乗船していた人々のほとんどは20代だったとみられている。
地元メディアによると、この船は数日にわたって航海を続けており、13日午後にはマルタ籍の貨物船から食料と水を供給されていた。
生存者は、船には500~700人が乗っていたと述べている。ピュロスのイアニス・カルヴェリス保健局長も、「許容範囲をはるかに超える人数が乗船していた」とした。
沿岸警備隊のニコラオス・アレクシオウ大佐は公共放送の取材で、警備隊員は船のデッキに人が詰め込まれているのを目撃したと述べた。また、船は地中海でも特に深い海域に沈んだと語った。

画像提供, MENELAOS MYRILLAS/VIA AFP
犠牲者の国籍などはまだ発表されていない。
生存者はカラマタの街に搬送され、その多くが低体温症や軽傷の治療を受けている。
ERTは、人身売買の容疑者3人がカラマタの中央港湾局に連行され、尋問を受けていると報じた。
ギリシャのカテリナ・サケラロプル大統領は生存者を訪問したほか、犠牲者に追悼の意を示した。
毎年数百人が、地中海を渡ろうとして命を落としている。今年2月には移民を乗せた船がイタリア南部カラブリアのクトロ近くで転覆。少なくとも94人が亡くなり、これまでに記録された中で最も犠牲者の多い事故となった。
ギリシャ移民省のイオルゴス・ミカエリディス氏はBBCワールドの番組「トゥナイト」の取材で、「密輸業者に支払うお金を持っている人たちだけでなく、本当に困っている人たちを受け入れるため」に、欧州連合(EU)は「しっかりとした」移民政策を打ち出す必要があると、ギリシャは繰り返し述べていると話した。
ミカエリディス氏は、「誰がヨーロッパに来るか、いま人選しているのは密輸業者だ」と指摘した。
「これは、EUが本当に困っている人たちに亡命、援助、安全を提供するためのものだ。ギリシャやイタリア、キプロスの問題ではない(中略)EUこそ、しっかりとした移民政策を決めなければならない」
ギリシャは、中東、アジア、アフリカからの難民や移民がEUに入る主要なルートの一つ。
ギリシャ政府は5月、海上で漂流した移民を強制的に追い出したとされる映像で国際的な批判を浴びた。
国連のデータによると、今年に入って7万人以上の難民・移民が欧州の最前線の国々に到着し、その大半がイタリアに上陸している。







