英作家ロアルド・ダール氏の作品、オリジナルのまま出版継続へ 修正に批判殺到で

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「チャーリーとチョコレート工場」など児童文学の名作で知られるイギリスの作家、故ロアルド・ダール氏の作品中の表現が、オリジナルのままで引き続き出版されることになった。
児童文学の出版社パフィンは先に、ダール氏の作品について、現代の読者により適したものに更新したと発表。「太った」(fat)や「醜くて」(Ugly)といった、登場人物の容姿や体重に関する記述などが、有害なコンテンツをチェックする段階で削除されていたが、これについて激しい論争が起きていた。
小説「真夜中の子供たち」や「悪魔の詩」で知られる英作家サー・サルマン・ラシュディは、「ロアルド・ダールは天使ではなかったが、これはばかげた検閲だ」とツイート。出版社は「恥を知るべき」だと述べていた。
「ダーク・マテリアルズ」シリーズで知られる英作家フィリップ・プルマン氏はBBCラジオ4に対し、ダール氏の作品が不快だとされるなら、内容を変更するのではなく「風化するがままにするべき」だと述べた。
リシ・スーナク英首相もこの議論に言及し、ダール氏の作品は「修正」されるべきではないと話した。23日にはカミラ王妃が作家や出版関係者との会合で、「表現の自由や想像力を制限しようとする人々に邪魔されることなく、自分の使命に忠実であり続けてほしい」と語った。
パフィンを所有する英ペンギンブックスのフランチェスカ・ダウ編集長は、「我々はこの1週間の議論に耳を傾け、ロアルド・ダールの本が持つ並外れた力を再確認すると共に、別時代の物語が新しい世代にとって意味あるものであり続けるにはどうしたらよいのかという、きわめて現実的な問題を再確認した」と説明した。

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予定されていた変更では、「チャーリーとチョコレート工場」に登場するオーガスタス・グループの容姿が「巨大」(enormous)と表現され、全ての本から「太った」(fat)という言葉が削除された。
「アッホ夫婦」では、アッホ夫人についての「醜くて野獣のよう」という描写から「醜くて」(ugly)が削除され、シンプルに「野獣のよう」となった。「変なアフリカの言語」という表現からは「変な」(weird)が削除されたという。
パフィンは、これらを含めた13作品を全集として、修正しない状態で発売する予定。

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1990年に74歳で死去したダール氏は、いまでもイギリスで最も人気のある児童文学作家の1人で、2021年には米動画配信大手ネットフリックスが全作品に対する権利を獲得した。
一方で、生涯を通じて反ユダヤ的な発言を続けたことが、非常に問題視された。
2020年にはダール氏の遺族が、「ロアルド・ダールの反ユダヤ主義的な発言によって、人々を長く傷つけてきた」ことを認識し、謝罪すると表明した。







