ウクライナ、今月後半のロシア大攻勢を想定 国防相が交代へ

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ウクライナのオレクシイ・レズニコフ国防相は5日、今月後半にロシアの新たな大攻勢が予想されるとして、ウクライナ側は備えを固めていると記者会見で話した。この数時間後、レズニコフ氏の国防相退任が明らかになった。
レズニコフ国防相は記者会見で、ロシアの攻勢開始までに、西側諸国が提供を約束した武器のすべてが届くわけではないものの、ロシア軍を抑えられるだけの備蓄はウクライナ側にあると話した。
さらに、ロシアは大攻勢開始に必要な軍備をすべて用意できているわけではないものの、開戦1周年となる2月24日を念頭に、象徴的な意味も込めて大攻勢に臨むかもしれないとの見方を、レズニコフ氏は示した。
レズニコフ氏の記者会見から数時間後、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領に近い有力議員ダヴィド・アラカミア氏が、国防相の交代を発表。国防省の情報部門トップ、キリロ・ブダノフ情報総局長が後任になるという。レズニコフ氏は、戦略産業の担当相に就任するという。
アラカミア議員は国防相人事について、「戦争が人事を決定する」と述べた。同議員は、欧米からの兵器確保に大きくかかわってきたことでも知られる。
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ゼレンスキー大統領は以前から政府内の汚職一掃に取り組んでおり、先月からは複数の政府高官を解任している。国防省をめぐっても複数の汚職疑惑が取りざたされてきた。
1月下旬にはヴャチェスラフ・シャポヴァロフ国防副大臣が、比較的無名の会社から軍用食料品を高値で購入することを監督していたとの報道を受け、辞任した。国防省は「技術的なミス」だったとし、金銭の授受はなかったと主張した。レズニコフ国防相にも同じ理由で疑惑の目が向けられていたが、同氏は食料品の高値調達報道を否定していた。

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ドイツ製戦車使う訓練開始へ
退任が発表される数時間前の記者会見で、レズニコフ国防相は、ドイツ製戦車を使った訓練が6日にも始まると述べた。
さらに、射程距離150キロの長距離ミサイルも新たに確保したものの、これはロシア領に対して使うのではなく、ウクライナ国内のロシア占領地域でのみ使用すると話した。
こうした上でレズニコフ氏は「この戦争に勝つのは我々だと確信している」と強調しつつ、西側が戦闘機を提供しなければ「こちらの死者が増える」とも述べた。
西側の武器提供をよそに、ロシア軍はこの数日で戦線に兵士を大勢投入し、東部の要衝バフムート周辺で戦果を挙げている。民間会社「ワグネル」の雇い兵がロシア側の戦闘の中心を担っているという。同社トップのイェフゲニー・プリゴジン氏は、バフムート市内の一部では、道路1本ごとに激戦が続き、ウクライナ軍は「徹底抗戦」を続けていると話した。
ゼレンスキー大統領は毎晩定例の演説で、「(東部)ドネツク州の状態は非常に厳しい。激戦が続いている」と述べつつ、「防戦し続け、勝ち続けるしか、私たちには選択肢がない」と強調した。
イギリス国防省は5日付の最新戦況分析で、「ロシア軍は先週から、ドンバス地方のバフムート包囲を目指し、少しずつ前進し続けている」、「ロシアの前進によって、ウクライナ勢が(バフムート)市内に入るための幹線道路2本が現在、直接の砲撃にさらされている」、「複数の代替補給ルートがまだ使えるものの、バフムートの孤立状態は悪化しつつある」と説明している。







