ローマ教皇、世界が「平和の飢餓」に直面 クリスマス演説でウクライナ侵攻に言及

Pope Francis (25/12/22)

画像提供, Reuters

画像説明, ローマ教皇フランシスコ

キリスト教カトリック教会のトップ、ローマ教皇フランシスコ(86)は25日、ヴァチカンからの毎年恒例のクリスマス・メッセージの中で、世界が「平和の飢餓」に苦しんでいると述べた。

教皇はウクライナでの「無意味な戦争」の終結を呼びかけ、戦争で「食料を武器として」使用することを非難した。

ウクライナは世界の小麦供給の3割を出荷していたが、2月のロシアによる軍事侵攻以降、価格が跳ね上がっている。

教皇就任以来10回目のクリスマス演説は10分間におよび、その大半はウクライナでの戦争に関するものだった。

「他の地域や、この第3次世界大戦の他の戦域でも深刻な平和の飢餓」が起きていると教皇は述べた。

教皇は中東やミャンマー、ハイチ、アフリカのサヘル地域での紛争や人道危機に言及したほか、大規模な反政府デモが3カ月以上続くイランでの「和解」への祈りを捧げた。人権団体によると、イランでの抗議行動をめぐる弾圧で子供69人を含む500人以上が死亡した。

食料は「平和の道具」であるべき

ヴァチカンのサン・ピエトロ広場を見下ろすサン・ピエトロ大聖堂のバルコニーから演説した教皇は、戦争がもたらす人的損失を嘆いた。そして、「毎日大量の食料を粗末にし、資源が兵器に費やされる一方で、飢えに苦しむ人々」がいることを忘れてはいけないと訴えた。

「ウクライナでの戦争はこうした状況をさらに悪化させ、特にアフリカの角(アフリカ東部地域)の国々の国民全体が飢餓の危機にさらされている」

「あらゆる戦争が飢えを引き起こし、食料を武器として利用していることで、すでに苦しんでいる人々への分配を妨げていることを我々は知っている」

教皇は「政治的責任を負う者」は食料を「平和の道具としてのみ」使用する道を切り開くべきだと述べた。

このメッセージのあと、ラテン語で「ローマと全世界へ」を意味するクリスマス恒例の「ウルビ・エト・オルビ」 の祝福の言葉が唱えられた。ラテン語のほか、伝統に従って他の多くの言語でも伝えられた。