中国、新型コロナウイルスの行動追跡アプリを終了

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中国政府は12日夜、新型コロナウイルス感染対策を目的とした市民の行動追跡アプリの運用を終了した。これまで厳しい「ゼロコロナ」対策をとってきた中国政府は、行動制限に反発する抗議デモが国内各地で相次いだ後、7日に行動制限の大幅緩和を発表していた。
国営アプリ「通信行程カード」は、2020年に使用が始まった。携帯電話の位置情報を利用し、感染リスクが高いとされる地域への移動履歴を追跡するもので、中国の「ゼロコロナ」政策の中核とみなされてきた。
住民はアプリに携帯電話番号を登録し、省から省への移動やイベント入場には、感染リスクが低いことを示す緑色の矢印を提示する必要があった。

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省から省への移動が緩和されたことで、政府はこのアプリがもはや不要と判断した。
ただし、自治体ごとの行動追跡アプリはまだ有効で、公共施設や建物に入るには利用者の感染リスクが低いことを提示しなくてはならない。このため、この全国的なアプリの運用終了の意味合いは象徴的なものとされる。
それでもソーシャルメディアでは大勢が、「通信行程カード」の終了を歓迎した。
行動制限が大幅緩和される前の中国では、感染者と濃厚接触者が隔離施設に強制収容されていた。家族が引き離されたり、自宅から排除されることから、市民の間で非常に不評だった。
新疆ウイグル自治区ウルムチ市では先月、高層住宅で火災が発生した際に感染対策の行動制限が原因で住民が脱出できなかったなどと指摘された。中国政府は疑惑を否定したものの、この火災をきっかけに感染対策に抗議する大規模な抗議行動が各地で起きた。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)は7日、全土で新型ウイルス対策を緩和するのに伴い、いくつかの新たな規則を発表した。その内容は次の通り――。
- ロックダウンなどの制限は、周辺地域全体や都市全体をロックダウンするのではなく、特定の建物やフロアなどより厳密に定められた特定の範囲に適用されるべきである
- 感染リスクが高いと認定された地域では、新たな感染者が出なければ5日以内にロックダウンを解除する
- 学校の場合は、校内で感染が広がっていないのであれば運営を継続すべきである
新しいガイドラインでは、非常口やドアをふさぐことが禁止され、市民がパンデミック制御措置によって妨げられることなく救急医療や避難経路にアクセスできるようにしなくてはならないとされている。
中国では現在、感染者が急増している。北京の保健当局によると、11日に市内の病院を訪れた患者は2万2000人に上り、前週の16倍だという。中国全体では11日に8626人の家庭内感染が報告されたものの、大規模な検査を実施しなくなったため、実際の感染者数はこれよりはるかに多いとみられている。
対策が緩和されたものの、中国は世界でも有数の厳しいコロナ制限が続いている。










