春までウクライナに戻らないで 国外避難者に政府が呼びかけ
ヒューゴ・バシェーガ(キーウ)、マーリン・トマス(ロンドン)、BBCニュース

画像提供, Getty Images
ウクライナ政府は25日、国外に避難している国民に対し、来春まで帰国しないよう呼びかけた。ロシアの攻撃によってエネルギー施設に大きな負荷がかかっているためで、政府はそれを軽減させたい考えだ。
ウクライナのイリナ・ヴェレシュチュク副首相はこの日、「(エネルギー)ネットワークは対応できない」、「ロシアが何をしているかは見ての通りだ」と説明。
「私たちは冬を生き延びる必要がある」と付け加えた。
また、来春には国民にウクライナに戻ってほしいが、「状況は悪くなる一方」なので、今すぐの帰国は避けることが大事だと述べた。
そのうえで、「可能であれば、当分は海外にとどまってほしい」とした。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国内のエネルギー部門の3分の1以上が、ロシアの空爆によって破壊されたとしている。
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ウクライナで戦争が始まって以来、同国の経済は大きく悪化している。ゼレンスキー氏は、来年に380億ドル(約5兆6000億円)に上るとみられている財政赤字をカバーするため、緊急の支援を世界に呼びかけている。
国際通貨基金(IMF)は、ウクライナが来年、財政破綻を回避するには、毎月30億ドルが必要だとしている。ロシアの砲撃が激しくなれば、その額は同50億ドルになるとしている。
西部の都市リヴィウのセルヒイ・キラル副市長は22日、ロシアの戦略について、冬の前に重要インフラを損壊させ、前線以外の場所に戦争を持ち込もうとするものだとBBCに語った。
エネルギー施設を標的に
ロシアはこのところ、ウクライナのエネルギーネットワークを攻撃している。ロシアが2014年に併合を宣言したクリミアの鉄道や道路橋が攻撃されたことへの報復だとしている。
直近の攻撃では、首都キーウの南東のチェルカシ州や、さらに西のフメリニツィキー市などが狙われた。
ゼレンスキー氏は21日、南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所のダムに、ロシアが地雷を設置したと非難。ダムが破壊されれば何十万人もが洪水の危険にさらされると述べた。同州はロシア軍が支配している。
ロシアはダムの爆破は計画していないとし、ウクライナがダムにミサイルを発射していると主張している。
国連の難民機関によると、ロシアが2月にウクライナへの侵攻を開始して以来、同国の人口約4400万人のうち約770万人が、ロシアを含む欧州全域に避難している。







