岸田首相、旧統一教会の調査指示 「質問権」初行使へ

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安倍晋三元首相の暗殺事件以降、政治家とのつながりなどから注目を集めている宗教法人「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)について、岸田文雄首相は17日、宗教法人法に基づく「質問権」を行使して調査をするよう、永岡桂子文部科学大臣に指示した。
安倍氏を銃撃したとされる山上徹也容疑者は、母親が旧統一教会に入信し多額の金銭を納めたことで家庭が破壊したとし、その団体に安倍首相が関係していると思っていたことなどを犯行動機として供述しているとされる。
事件後に行われた調査では、多くの国会議員と同団体につながりがあることが明らかになり、岸田首相は謝罪を余儀なくされた。
旧統一教会の調査を求める声に抵抗してきた岸田氏は17日、宗教法人法に規定されている「質問権」の行使による調査を行うことを認めた。
岸田氏はこの日の衆議院予算委員会で、「社会的に問題が指摘されている団体に関して、政府として宗教法人法を含め、関係法令との関係を改めて確認しながら厳正に対応していく」と述べ、同団体が家庭を崩壊させ、信者から金を搾取してきたとの非難の声を真摯(しんし)に受け止めるとした。
旧統一教会はこれまで、安倍氏の銃撃事件を非難するとともに、自分たちは事件について不当な中傷を受けていると主張している。
同団体をめぐっては複数の元信者が訴訟を起こしている。
岸田氏は多くの被害者がいることを認めたうえで、被害者救済の努力はまだ不十分だとした。
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日本の政治評論家は、岸田氏の発表は国民の信頼を取り戻すためのものだと指摘している。岸田氏の支持率は、自民党と同団体との関係が取り沙汰されたこの数カ月で急落した。
自民党の調査では、党所属国会議員379人のうち179人が統一教会と交流があったことが判明した。
この報告を受けて岸田氏は謝罪し、同団体との関係を断つよう議員に求めた。また、岸田氏自身は同団体との個人的つながりはないと強調した。
旧統一教会は1950年代に韓国で創設され、1964年に日本で宗教法人の認可を受けた。信者の数を増やし、団体の評判を高めるために政治家との関係を深めたのだと、複数の研究者たちは指摘する。
観測筋によると、同団体は信者を政治家の事務所でボランティアやスタッフなどとして働かせ、自民党とのネットワークを構築していた。自民党側は団体との組織的なつながりを否定している。
旧統一教会は「カルト的」と評されてきた。信者に多額の献金を強要していると、複数の弁護士が非難している。
安倍氏と同団体との関係は生前から、特にソーシャルメディア上で憶測を呼んでいた。安倍氏は昨年9月、旧統一教会の関連団体のイベントにリモート登壇した。
祖父の岸信介元首相も、その反共主義的な性質からこの団体と近かったとみられている。









