安倍氏の国葬、執り行われる 賛否が割れる中で

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安倍晋三元首相の国葬が27日、東京・日本武道館で行われた。日本の国葬は、1967年の吉田茂元首相以来、戦後2人目。賛否が大きく割れる中での開催となった。
国葬には国内外の計4300人が参列。うち約700人は海外からだった。210超の国と地域、国際機関などの代表団が参列した。
冒頭、安倍氏の妻の昭恵氏が、自宅に安置してあった安倍氏の遺骨を会場に運び入れた。続いて国歌の演奏と黙とうがあった。

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その後、安倍氏の政治家としての足跡を振り返る、政府制作の映像を上映。世界のリーダーたちと一緒の場面や、国連で演説する場面の画像などが映し出された。BGMには、安倍氏がピアノで演奏した音楽が使われた。
葬儀委員長を務めた岸田文雄首相は「追悼の辞」で、「7月8日、選挙戦が最終盤を迎える中、あなたはいつもの通りこの国の進むべき道を聴衆の前で熱く語りかけておられた。そして突然、それは暴力によってさえぎられた。あってはならないことが起きてしまいました」と、安倍氏の死去を振り返った。

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続けて、「日本と世界の行く末を示す羅針盤として、この先も10年、いや20年力を尽くしてくださるものと私は確信しておりました」、「しかしそれはもはや、かなうことはない。残念でなりません。痛恨の極みであります」と述べた。
そして、「安倍さん、安倍総理。お疲れさまでした。そして本当にありがとうございました。どうか安らかにおやすみください」と締めくくった。
菅義偉前首相は、友人代表として追悼。「天はなぜよりにもよってこのような悲劇を現実にし、命を失ってはならない人から生命を召し上げてしまったのか。悔しくてなりません。悲しみと怒りを交互に感じながら今日のこの日を迎えました」と述べた。
また、「日本国は、あなたという歴史上かけがえのないリーダーをいただいたからこそ特定秘密保護法、一連の平和安全法制、改正組織犯罪処罰法など難しかった法案を全て成立させることができました」、「どの一つを欠いても我が国の安全は確固たるものにはならない。あなたの信念、そして決意に、私たちはとこしえの感謝をささげるものであります」とした。

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この後、皇族や首相経験者、衆院・参院議長、友人代表、海外要人らが壇上で花をささげた。
海外要人には、アメリカのカマラ・ハリス副大統領、インドのナレンドラ・モディ首相、シンガポールのリー・シェンロン首相、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相、ベトナムのグエン・スアン・フック国家主席、韓国のハン・ダクス首相、フィリピンのサラ・ドゥテルテ・カルピオ副大統領、インドネシアのマールフ・アミン副大統領、欧州理事会のシャルル・ミシェル議長などがいた。

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首相官邸は、前日からこの日朝にかけての海外要人らと岸田首相との会談の様子を、写真付きでツイートしている。
岸田氏はこの日、海外の指導者ら40人以上との会談が設定された。
会場近くで献花の列

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国葬会場に近い九段坂公園には、一般の人々が花や賛辞を残すための献花台が設置された。この日は朝から、安倍氏をしのぶ人々が続々と訪れた。
列の先頭では、多くの人が頭を下げて安倍氏の写真に向かって祈り、献花台に花を供えた。
弔問者の列は長く続き、献花台の花は10分ごとに係員が片付けた。
国葬に抗議する人たちも

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国葬会場の付近では、国葬に抗議するグループも見られた。もっと重要な経済対策に使われるべき国費を奪うものだとし、横断幕を振ったり、プラカードを掲げたりしていた。
今回の国葬の費用は16億7000万円に達するとみられている。
抗議者の1人はBBCの取材に対し、「安倍氏の国葬には反対だ」と述べ、国葬は通常、皇室のために行われるものだと指摘。国葬を行うかは、「首相としての在任期間」ではなく「貢献と政策に基づく」べきだと述べた。
そして、「暗殺されたという事実も、国葬の理由にすべきではない。テロ攻撃が歴史を変えるのに成功したことになってしまうからだ」と付け加えた。
選挙応援演説中に銃撃
安倍氏は7月8日、奈良市で参院選の応援演説の最中、至近距離から手製の銃で撃たれ殺害された。
銃撃した男性は、安倍氏が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を推進し、同団体とつながりがあったことから、同氏を狙ったと供述しているとされる。旧統一教会は事件後、国内で議論の的となっている。
日本では政治的暴力や凶悪犯罪はまれで、この事件は世界にも衝撃を広げた。政治家は軽微な警備態勢の中、各地を訪れることが多いが、当局は安倍氏の殺害について、警備に問題があったことは「否定できない」と認めている。









