ロシア人へのビザ発給、手数料引き上げ提案 「侵略続く限り適用すべき」=欧州委員会

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欧州委員会は6日、ロシア政府と結んでいる査証(ビザ)発給の円滑化措置を停止し、発給手数料を引き上げることなどを提案した。これにより、ロシア人にとって欧州連合(EU)加盟国へ渡航することがこれまでより高価で難しくなる。
この案では、EU加盟国への入国を希望するロシア人のビザ申請手続きは従来より時間がかかるようになる。手数料は35ユーロ(約5000円)から80ユーロ(約1万1000円)に引き上げられる。
欧州委員会はロシアがウクライナに対する侵略戦争を続ける限り、この措置を適用するべきだとしている。
2月のウクライナ侵攻開始以降、100万人以上のロシア人がEU諸国に渡航している。
欧州委員会のマルガリティス・スキナス副委員長は、ロシアはEUとロシアのビザ協定の基盤となっている信頼を「完全に損なった」と述べた。
ビザ発給の円滑化措置によりロシア人は15年もの間、合理的なプロセスでEUのビザを取得できていた。
同委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ロシアとは「今まで通りというわけにはいかない」として、ビザ円滑化を停止するべきだとツイートした。
ビザ発給をめぐっては、EU加盟国の外相らが8月31日、円滑化措置を停止することで原則合意していた。
ウクライナや一部の加盟国はビザ発給の全面禁止を訴えたが、フランスやドイツはこれに反対。全面禁止には至らなかったため、譲歩案と目されていた。
ロシアの隣国は国境管理を強化
ロシアと国境を接するEU加盟国の中には、すでに国境管理の強化を始めている国もある。
ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は先週、EUの決定でロシア人旅行者は面倒を被ることになると認めた。そして、この提案は「今は数々のばかげた事態が続いているが、これもまたそうしたくだらない決定の一つだ」とした。
欧州委員会の提案が実現すれば、ロシア市民への影響は次の通り。
- 手数料を35ユーロから80ユーロに引き上げ
- 申請手続きの長期化
- 定められた有効期間内に何度でも出入国できるマルチエントリー・ビザの制限
- 求められる必要書類が増える
これとは別に、欧州委員会は加盟国に対し、ウクライナのロシア占領地域で発行されたロシアのパスポートを承認しないことも提案している。
同委員会のイルヴァ・ヨハンソン委員(内務担当)は、「ロシア人がEUに容易に出入りするのは認められるべきではない。観光客としてEUへ渡航することは、人権にはあたらない」と述べた。







