ウクライナのゼレンスキー氏、ザポリッジャ原発を攻撃するロシア兵に警告 「特別な標的」に

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は13日夜、ロシア軍が掌握するザポリッジャ原発に向けて発砲したり、原発から発砲するロシア兵は、ウクライナ軍にとって「特別な標的」になると警告した。
毎晩恒例の動画演説でゼレンスキー氏は、欧州最大の原発について、ロシア政府が軍の基地にしようとしており、「核による脅し」の切り札として使っていると非難した。
ゼレンスキー氏は、ロシアがザポリッジャ原発へ砲撃を重ね「絶え間ない挑発」を続けていると非難。また、駐留するロシア軍部隊は、原発を拠点にニコポリ市内や、近くのマルガネツ市を攻撃しているとも述べた。
その上で大統領は、「原発に向かって発砲するロシア軍兵士、あるいは原発にまぎれて発砲する兵士は、我々の情報部、我々の特殊部隊、我々の陸軍にとって、特別な標的になると理解しなくてはならない」と警告した。
さらに、ロシアのザポリッジャ原発占領が1日でも長く続ければそれだけ、「欧州への放射能の脅威が増す」ことになるとも述べた。
このほかウクライナの国防情報当局は、ロシアが原発近くの町に戦車の一種のピオン自走砲を停車させ、わざとウクライナ国旗を車体に塗って偽装し、ウクライナが原発を攻撃しているかのように見せかけていると非難した。
ロシア軍は今年3月に激しい戦闘の末、ザポリッジャ原発を制圧した。ウクライナ南部ニコポリに位置し、ロシア軍の占領下でウクライナの技術者が稼働を管理している。今週に入り原発は激しく砲撃され、ロシアとウクライナの双方が互いを非難しあっている。


ザポリッジャ原発には加圧水型原子炉6基があり、放射性廃棄物も貯蔵されている。
同原発では3月初旬、ロシア軍の砲撃を受けて火災が発生。鎮火後にロシア軍は原発を制圧した。制圧後もウクライナ人従業員をとどまらせ、原発の稼働を続けている。
今月8日には、ロシア軍が同原発を軍事基地に転用していると、ウクライナ原発公社エネルゴアトムのトップが指摘した。
これまでのところ、IAEAによる査察は実現していない。
今月上旬にはザポリッジャ原発のスタッフがBBCの取材に対して、原発を軍事基地として使っているロシア部隊が常に自分たちを厳しく見張っていると話した。
主要7カ国(G7)外相は10日、ロシアは直ちに原発の管理権をウクライナ政府に返還する必要があると述べた。
国際原子力機関(IAEA)は、「原発の安全を危険にさらすあらゆる軍事行動」を止めるよう呼びかけている。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「大惨事につながる」恐れがあると警告している。
しかし、ロシア側は原発における一切の問題行動を一貫して否定。ロシア側が現地に置いた行政当局の幹部、ウラジーミル・ロゴフ氏は通信アプリ「テレグラム」に、原発を砲撃しているのはウクライナ軍だと書いた。
ロシア外務省は、ロシア軍が原発を掌握したのは、周辺での戦闘中に放射性物質が漏洩(ろうえい)するのを防ぐためだったと説明している。







