ロシア軍、欧州最大の原発を軍事基地に転用=ウクライナ原発公社

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ウクライナ原子力発電公社エネルゴアトムのトップ、ペトロ・コティン氏は8日、ロシア軍がウクライナの陣地に攻撃を仕掛けるために欧州最大のザポリッジャ原発を軍事基地に転用していると述べた。
コティン氏はBBCに対し、原発への脅威は「大きい」ものの、安全は保たれていると語った。
ウクライナ南東部にあるザポリッジャ原発では3月初旬、ロシア軍の砲撃を受けて火災が発生。鎮火後にロシア軍は原発を制圧した。
現在もロシアの支配下でウクライナ人スタッフが原発の稼働を続けている。
ザポリッジャ原発をめぐってはここ数日、ウクライナとロシアが互いに、同原発への攻撃を行っていると非難し合っており、重大事故への懸念が高まっている。
ウクライナは先週末、ロシア軍が同原発を攻撃し、破片で負傷した作業員2人が病院に搬送されたと非難した。この攻撃で3つの放射線センサーが破損したという。
原発にロケット弾発射装置を配備か
コティン氏によると、サポリッジャ原発には500人のロシア兵が駐留し、周辺に複数のロケット弾発射装置を配備しているという。この主張が事実かどうか独自に検証できていない。
「彼ら(ロシア軍)はウクライナ軍に対する盾のようにそれ(原発)を使っている。ウクライナ側が誰一人として何もしようとしないからだ」と、コティン氏は述べた。
「ウクライナ軍は、ウクライナのスタッフがいること、ウクライナの原発であることを理解している。(そこに)ウクライナ人がいることを分かっている。だから我々の仲間やスタッフを死に至らせたり、我々のインフラに損害を与えたりはしない」

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コティン氏は、原発スタッフはプレッシャーと危険にさらされながら働いており、一部スタッフは捕らえられ、殴られ、拷問を受けていると話した。
また、ウクライナの送電網から同原発を切り離し、最終的にはロシア側のシステムに接続することをロシアが計画しているとした。
ドニプロ川を挟んでザポリッジャ原発の対岸にあるドニプロペトロウシク州ニコポリのオレクサンドル・サユク市長は先週、BBCに対し、同市が「ほぼ毎晩」ロシアの砲撃にさらされていると語った。攻撃は原発にいる部隊によるものだとしていた。
こうした緊張状態を受け、現地への国際調査団の派遣を認めるよう求める声が高まっている。
広島での平和記念式典に出席した国連のアントニオ・グテーレス事務総長は8日、東京都内での記者会見で、「原発への攻撃は自殺行為」だと述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアの行為は「核テロ」だとした。
「テロ国家が原子力発電所を砲撃しても安心だと思える国などこの世界には存在しない」と、ゼレンスキー氏は毎晩定例の動画演説で述べた。
ロシア側はこうした主張を否定し、攻撃はウクライナ軍によるものだと非難した。ロシア国防省はウクライナ軍の砲撃で高圧送電線が破損したと主張した。
米ワシントンを拠点とするシンクタンク「戦争研究所」(ISW)は先週、ロシアが西側諸国の核災害への恐怖に乗じて原発を利用していると指摘。ウクライナへの「軍事支援に対する西側の決意を低下させようとしているのだろう」とした。







