ウクライナからの穀物輸送船、さらに4隻が出港

A grain ship.

画像提供, Getty Images

ロシアによる侵攻の影響でウクライナ国内に滞留する大量の穀物などを輸送する貨物船が7日、新たに4隻、ウクライナを出港した。

穀物とひまわり油を積載し、黒海に面する南西部オデーサとチョルノモルスクを出港した船は、安全な航路を通ってボスポラス海峡を通過する予定。トルコで検査を受けた後、2隻はトルコで荷下ろしし、残りの2隻はそれぞれイタリアと中国へ向かうという。

ロシアは、ウクライナ侵攻を開始した2月末から黒海に面するウクライナの港を封鎖。世界的な食糧危機と価格高騰につながっている。

しかし両国は7月22日に国連とトルコの仲介を受け、ウクライナに滞留する数百万トンの穀物輸出の再開で合意し、8月1日には最初の1隻がオデーサを出港していた

また、7日午後にはチョルノモルスク港に荷物を載せていない貨物船が1隻到着しており、さらなる輸出の準備が進んでいる。

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トルコと国連が仲介した合意では、農産物を載せた貨物船が航行中は、ロシア軍は黒海に面したウクライナの港を攻撃しないと定められている。また、機雷が敷設された水域では、ウクライナ艦艇が貨物船の安全航行を誘導する。

有効期限は120日間だが、双方が合意すれば延長される。

先発の貨物船は予定より遅れる

ロシアの侵攻から5カ月がたつ中、まれな外交的突破口となったこの合意は、ウクライナだけでなく世界各国にとっても重要なものだ。

ウクライナ国内には、ロシアによる港湾封鎖により、2000万トンの穀物が滞留している。合意が継続すれば、ウクライナは月当たり最大300万トンを輸出できるという。

ウクライナ当局は、穀物輸出が安全に進んでいる良い兆候がみられるとし、企業にウクライナの港湾地帯に戻るよう求めている。この輸出は、世界的な食糧危機の緩和を促進するとともに、ウクライナが必要としている外貨獲得にも一役買うと期待されている。

しかし、不安も強く残っている。同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領は輸出再開を歓迎している一方で、安全保障上の懸念は残っていると指摘した。

1日にオデーサを出港し、2万7000トンのトウモロコシを輸送中のラゾーニ号は、レバノンのトリポリ港へ向かっているが、当局はこのほど、予定されていた7日には到着しないと発表した。

在レバノン・ウクライナ大使館はロイター通信の取材に対し、ラゾーニ号は「遅れている」と語ったが、その原因や新たな到着予定日などは明らかにしなかった。

合意のもとでトルコ・イスタンブールに設置された共同調整センターは、ラゾーニ号の航行は試験的なものであり、そこから得た情報が今後の輸出の修正に使われると述べた。

ウクライナから小麦を最も多く輸入している国はエジプトで、S&Pによると、2021年には362万トンだった。これにインドネシア(322万トン)、バングラデシュ(230万トン)、トルコ(119万トン)、イエメン(106トン)などが続く。