アップル、iPodの販売終了へ 21年の歴史に幕

Apple CEO Steve Jobs introduces the new iPod Touch during an Apple Special event September 5, 2007 in San Francisco, California

画像提供, Getty Images

画像説明, 2007年に「iPod Touch」を発表したアップルの故スティーヴ・ジョブズ氏

米アップルは10日、音楽プレイヤー「iPod Touch」の販売を終了すると発表した。人々の音楽の聴き方に革命を起こしたと称賛されている「iPod」シリーズの歴史に、幕が下りることになる。

2001年に発売された初代「iPod」は、1000曲を保存することができた。それが現在では、アップルのストリーミングサービスを通じ、9000万曲を聴くことができるようになった。

「iPod Touch」は、その後に発売されたスマートフォン「iPhone」と同じチームが設計・開発した。しかし、「iPod」はすぐに「iPhone」の影に隠れてしまった。

iPodシリーズは2019年を最後に、新製品が発表されていなかった。

これまでに、「iPod Nano」や「iPod Shuffle」といったさまざまなモデルが発表されてきたが、2007年に初披露された「iPod Touch」が、最後まで生き残っていた。

アップルは、同製品の現行モデルは在庫が無くなるまで販売していくとしている。

アップルのグレッグ・ジョスウィアック上級副社長(ワールドワイドマーケティング担当)は、「iPodは音楽を見つけ、聴き、共有する方法を再定義した」と述べた。

思い出の投稿が続々

ソーシャルメディアでは、「iPod」の思い出をつづる投稿が相次いている。

ブレット・マケイブさんは、「自分にとってiPodは人生で最も革新的な製品だった。私たちがコミュニケーションを取り、機能し、コラボレーションする方法を変えた。群を抜いていたわけではないが、最も効率の良い製品だった」と語った

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ドミトロ・クリウェンコさんは、「私の最初のアップル製品だった。(中略)子供の時、初めてイギリスに行って買ったものだ。小遣いをためて、初めての街で、初めて見かけた店で買ったんだ」とつづった

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初代「iPod」は2001年、アップル共同創業者の故スティーヴ・ジョブズ氏によって、典型的なアップルの発表スタイルでお披露目された。多くの注目と期待が集まる中、ジョブズ氏はトレードマークの黒いタートルネックにジーンズ姿でiPodを世に送り出した。

この年の新作発表会では、アップルが新しい音楽プレイヤーを発表するのではないかと、うわさが立っていた。発表会の招待状に、「ヒント:Macではない」と書かれていたからだ。

ジョブズ氏は1時間にわたるプレゼンテーションの中で、「音楽はみんなの生活の一部だ。永遠に私たちと共にあり、これからもそうだろう」と語った。

この夜の最大のメッセージは、「1000曲をポケットに」というシンプルなものだった。

それからというもの、歌手のジョン・メイヤー氏、U2、司会者のオプラ・ウィンフリー氏といった多くの著名人がそのスター性を発揮し、「iPod」を支えてきた。独BMWは世界で初めてiPodシステムを内蔵した車載エンターテインメントシステムを発表。数年のうちにほとんどの自動車メーカーが追随した。

iPhoneの登場で

しかし技術アナリストは、「iPhone」がいつか「iPod」に取って代わることは必然だった指摘する。

技術顧問企業CCSインサイトの首席アナリスト、ベン・ウッド氏はBBCの取材に対し、「アップルがiPhoneを作ったとき、それが最終的にiPodの終わりの始まりを意味することは分かっていた」と語った。

クリエイティブ・ストラテジーズのキャロリーナ・ミラネシ氏は、「iPod」の販売減と「iPhone」の販売増は、音楽がデジタル販売からストリーミングに移行するのと同様に、関連しあっていたと指摘した。

「iPodの生産終了は、アップルが自社製品の共食いを気にしていない、その最たる例だろう」

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<解説>ゾーイ・クラインマン、テクノロジー編集長

「iPhone」が世界初のスマートフォンではないのと同様、「iPod」も世界初のMP3プレイヤーではなかった。しかしアップル独自のデザインが、人々がCDやカセットプレーヤー、そしてファイル共有から離れ、デジタル音楽へ移行する後押しとなった。

2001年当時、音楽業界は違法なファイル共有に対抗し、生き残りをかけて闘っていた。レコード各社が法的な脅しをかけるよりも早く、楽曲のリッピングやプラットフォーム上での共有が行われていたからだ。

メディアプレイヤーの「iTunes」と、その直後に発売されたiPodは、正規のダウンロード購入による収入という形で音楽業界の生命線をつないだ。

また、米マイクロソフトのウィンドウズシリーズに支配された市場で、低迷していたアップルの命運を復活させた。

「iPod」は2001年10月23日、故スティーブ・ジョブズ氏によってステージ上で紹介された。

そのプレゼンでジョブズ氏は、「iPodによって、音楽体験は永久に変わるだろう」と言った。多くの点で、ジョブズ氏は正しかった。

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