西側各国の首脳、対ロ結束を強調 ロシアの化学兵器使用を懸念 ウクライナ侵攻29日目

G7 leaders at the Nato summit

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画像説明, 世界各国の首脳がロシアに対抗していく連帯の姿勢を示した(24日、ブリュッセル)

ベルギー・ブリュッセルでは24日、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)、主要7カ国(G7)の首脳が一堂に会し、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対して結束して対抗していく姿勢をあらためて示した。対するロシアは、NATOが紛争の継続を望んでいると批判した。

ブリュッセルで西側諸国の様々な緊急首脳会議が相次ぎ開かれるのは、きわめて異例。

「プーチンはNATOを分裂させようと」=バイデン氏

西側はロシアに対して結束しなくてはならないと強調するバイデン米大統領(24日、ブリュッセル)

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画像説明, 西側はロシアに対して結束しなくてはならないと強調するバイデン米大統領(24日、ブリュッセル)

NATO加盟国やG7の首脳と会談したアメリカのジョー・バイデン大統領は、「我々にとって何より大事なのは結束を続けること。そして世界は、(ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が)いかに残酷な暴君か見つめ続けなくてはならない」と記者団に話した。

バイデン氏は、プーチン氏が「NATOを分裂させようとしている」と繰り返し、「アメリカと連帯してまとまった30カ国よりも、ばらばらになった30カ国と個別に対応したい」とプーチン氏は考えているのだと述べた。

「NATOやG7や欧州議会だけでなく、ひとつにまとまった欧州は、本当に大事だ。この男を止めるには、わが国ではすでに戦争犯罪を犯したと考えるこの男を止めるには、(欧州の連帯が)何より大事だ」

バイデン氏はまた、ウクライナ侵攻を決めたプーチン氏がひどい誤算をしたと指摘。「NATOは分裂するはずだと思い込んでいた。私との会話の中でも、我々がこれほどの一体性を維持できると(プーチン氏が)思っていなかったのは明らかだった」と述べた。

「ウクライナに侵攻した時、こうなるはずだと彼が思っていたのと真逆の事態が、いまプーチンにふりかかっている」、「今のNATOはかつてないほど一致団結している」と、バイデン氏は話した。

バイデン氏はさらに、米政府がロシアの400の個人・組織を制裁対象に加えたと説明。これにはロシアの国会議員300人と、政府に近い大財閥(オリガルヒ)、防衛系企業も含まれるという。

さらに、中国の習近平・国家主席に対しては、もし武器供与などで中国がロシアを支援するなら、中国の欧米との経済関係を「深刻な危険」にさらすことになると、明確に告げてあると記者団に話した。

中国を「脅したわけではない」ものの、ロシアの「野蛮な行動」の結果、どれだけの欧米企業がすでにロシアを撤退したかなどを指摘したという。

動画説明, ゼレンスキー大統領が英語で支援呼びかけ ロシアのウクライナ侵攻から1カ月

バイデン氏はさらに、ロシアがウクライナで化学兵器を使用すると懸念されている状況について、もしロシアがそのようなことをすればアメリカは対応するし、「その対応の内容は、(化学兵器を)どのように使ったのかに応じたものになる」と警告した。

諸外国の首脳も、もしロシアが化学兵器や核兵器を使うなら、西側として対応するしかないと口々に述べた。ただし、どのような対応になるのかは言明していない。

他方、NATO加盟各国は首脳会議を経て、東欧での防衛力強化で合意した。スロヴァキア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニアに新たに4つの部隊が派遣される予定。

動画説明, 「ロシア兵は生きてる内に帰れ」「子供を殺すな」 最前線を守るウクライナ兵

NATOは戦争継続を期待=ロシア外務省

この日のNATO首脳会議を受けて、ロシア外務省は、西側の同盟が戦争の継続を願っているのだとコメントした。ロシアの国営RIA通信が伝えた。

ロシア外務省は、そもそもウクライナ東部でロシアが後押ししてきた分離派を攻撃するよう、ウクライナを促したのは西側だと批判。西側がウクライナに武器供与するという自らの判断から「恐ろしい収穫を得ている」と述べた。

開戦に先立ちロシアは、ウクライナ東部の分離派が「ジェノサイド(集団虐殺)」の危険にさらされていると主張し、侵攻の理由の一つにした。

マリウポリに医薬品届けられず=WHO

人道援助物資の配給に並ぶマリウポリの人たち(24日)

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画像説明, 人道援助物資の配給に並ぶマリウポリの人たち(24日)

世界保健機関(WHO)はこの日、ロシア軍の徹底攻撃を受けて包囲されている南東部マリウポリについて、必要とされている医薬品を届けられずにいると明らかにした。黒海沿岸沿いの西部ミコライウについても同様という。

東部ドニプロに到着したばかりのタリク・ヤサレヴィッチWHO代表はBBCに対して、WHOは人道支援物資の輸送拠点を設置しているものの、マリウポリとミコライウへは物資を届けられずにいると話した。

ヤサレヴィッチ氏によると、ウクライナでは3月21日までに少なくとも64回、医療施設が攻撃を受けたことをWHOとして確認した。ロシア軍の攻撃で、病院、医療センター、救急車が被弾しているという。

医療従事者は不安の中で働き、患者は治療を受けに行くのをためらっている状態で、ワクチン接種事業のほか、糖尿病やがんなど慢性病の治療、妊産婦への手当などがすべて影響を受けているとヤサレヴィッチ氏は説明し、ロシア軍による医療施設・関係者への攻撃は「あらゆる人にとてつもない打撃を与える」と批判した。

ウクライナ軍は補給線などを攻撃=英国防省

ロシア・ウクライナ戦争の戦況分析を連日公表している英国防省は24日、ウクライナ軍が南東部ベルディヤンスクの揚陸艦や弾薬庫など、ロシア制圧地区で重要な標的を次々と攻撃していると明らかにした。

国防省は、「(ウクライナ軍は)ロシア制圧地区で物資補給用の拠点・資材を標的にし続けるだろう。これによってロシア軍は、自分の補給路防衛を優先することになり、必要度がきわめて高い兵員増強が得られなくなる。そのためロシア軍は攻撃作戦の実施能力が減退し、ただでさえ低下している士気がますます損なわれる」と分析した。

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ウクライナは勝てる=ジョンソン英首相

ブリュッセルの首脳会議に出席したボリス・ジョンソン英首相は、イギリスがウクライナにミサイル6000発を提供すると発表した。またウクライナ兵の給与支給のため、2500万ポンド(約40億円)を支援する方針も示した。

「プーチンはすでに野蛮の域へと、一線を越えてしまった」とジョンソン首相は記者団に述べた。

さらに、BBC番組「ニューズナイト」に対して首相は、「ウクライナの人たちがこれほど抵抗するなど、(プーチン氏には)まったく予想外だったのだと思う。ウクライナというものを、まったく誤解していたし、ウクライナという国を消滅させるどころか、むしろその団結を強めた」と話した。

(英語記事 Ukraine live page