マリウポリで大型爆弾投下、ゼレンスキー氏「市民避難の実現」訴え ウクライナ侵攻27日目

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ロシアによるウクライナ侵攻27日目の22日、ロシア軍に包囲された南東部マリウポリでは大型爆弾が投下された。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はイタリア議会でのビデオ演説で、マリウポリには「何も残っていない」と述べ、市民を避難させるようロシアに求めた。こうした中、エマニュエル・マクロン仏大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と停戦などについて協議した。
ゼレンスキー氏はイタリア議会での演説で、「あそこには何も残っていない。あるのは廃墟だけだ」と述べた。
南東部の港湾都市マリウポリは、ロシアにとって戦略上重要な都市で、数週間にわたりロシア軍の砲撃に耐えてきた。当局によると、住民は食料や医薬品がなく、電力や水道が止まった状況に置かれている。
ゼレンスキー氏が演説している最中、マリウポリ市議会はロシア軍が2発の大型爆弾を投下したと発表した。死傷者や被害状況の詳細は明らかにしなかった。
「占領軍はマリウポリという街に興味がないことが、またもや明らかになった。街から何もかもを消し、灰で覆われた死の土地にしようとしている」
ロシアは民間人に対する攻撃を否定している。
ゼレンスキー氏はこの日、ローマ教皇フランシスコと電話会談し、戦争終結に向けて仲介役となるよう要請した。
また、同日夜にはフェイスブックに毎夜投稿している演説動画で、「現在、約10万人が(マリウポリ)市内にいる。非人道的な状況にある。完全に封鎖されている。食料も水も医薬品もない。砲撃と爆撃が絶え間なく続いている」とした。民間人の避難はロシア軍に妨害されるなどしているが、22日には「7026人の市民が救出された」とした。
ゼレンスキー氏の演説に先立ち、ウクライナのイリナ・ヴェレシュチュク副首相も、民間人の避難を可能にする人道回廊の設置を改めて求めた。
ヴェレシュチュク氏によると、少なくとも10万人が避難を希望しているが避難できない状況だという。
ロシアは現地時間21日午前5時までにマリウポリが降伏すれば、同10時までに住民が避難できるよう人道回廊を開放すると提案したが、ゼレンスキー氏はロシアの最後通告には決して屈しないとしてこれを拒否していた。
ヴェレシュチュク氏は、南部ヘルソンの住民に人道支援物資を届けようとしているが、ロシア軍がそれを阻んでいるとも述べた。

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ロシア報道官、「国の存続危機なら核兵器使用も」
ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は米CNNのインタビューで、核兵器の使用を検討するかと問われ、「我々には国内の安全保障に関する概念がある。それは公開されており、核兵器が使用される条件はすべて確認できるようになっている」と述べた。
「もし、わが国の存続に関わる脅威があれば、我々の概念に沿って核兵器を使用することができる」
ウラジーミル・プーチン大統領は先月27日、戦略的核抑止部隊に「特別警戒」を命令している。
ペスコフ氏が核兵器使用の可能性を否定しなかったことについて、専門家たちはロシアの核政策に変化があったと解釈すべきではないと指摘する。
セキュリティ企業「iSEC Partners」と「NGS Secure」の元主席セキュリティコンサルタント、マット・テイト氏は「これは長年にわたるドクトリン(原則)を改めて提示したものであり、今に始まったことではない」とツイートした。
「誤解を恐れずに言えば、(ロシアは)アメリカが核兵器についてパニックになるのを楽しんでいる。しかしこれは、(ロシアの)姿勢の変化とは切り離された発言だ」
仏大統領、プーチン氏と電話会談
こうした中、フランス政府はマクロン大統領が22日にロシアのプーチン大統領と電話会談を行ったと明らかにした。
マクロン氏はこれまで、ウクライナでの停戦と、現在も続く安全上の懸念についてプーチン氏と協議しているが、今回もこの問題について話し合ったという。
仏政府は声明で、「現在のところ合意はなされていないが、マクロン大統領が努力を続ける必要性を確信していることに変わりはない。停戦すること、そしてロシアがウクライナと誠実に交渉する以外に道はない」とした。
さらに、マクロン氏は「ウクライナと共にある」と付け加えた。
ロシアメディアも、両首脳の電話会談を報じた。国営通信社RIAノーボスチによると、会談はフランス側が提案した。インタファクス通信は、両首脳がウクライナの和平交渉について議論したと伝えた。
マクロン氏はこの日、ドイツのオラフ・ショルツ首相とイタリアのマリオ・ドラギ首相とも協議した。ウクライナ戦争を念頭に、欧州のエネルギー需要や食料安全保障の懸念について話し合ったという。
「生き地獄に耐えている」
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は米ニューヨークの国連本部で記者団に対し、ウクライナの人々が生き地獄に耐えていると述べた。そして、状況は刻々と破壊的かつ予測不可能なものになってきていると警告した。
「この戦争は足踏み状態にある」とし、この戦争に勝者はいないと述べた。
「ウクライナで戦争を続けることは道徳的に受け入れられず、政治的に弁解できず、軍事的に無意味だ。(中略)今こそ戦闘をやめ、平和にチャンスを与える時だ」











