攻撃やまず住民避難が再び打ち切り ウクライナ侵攻11日目

動画説明, キーウ近郊のイルピンで住民たちがロシアの砲撃から逃れようと移動した

ロシア軍はウクライナ侵攻11日目の6日も、首都キーウ(キエフ)への進軍を試みた。キーウの北西では絶え間ない爆撃が続いた一方、南部マリウポリでは住民らの避難が試みられたが、攻撃が続いたため、打ち切られた。

首都近郊のブチャ、ホストメル、イルピンでも激しい戦闘があり、地元住民らは、1分と間を置かずに爆発が続いたと話した。

多くの市民はイルピンから脱出するため、ロシア軍の侵入を阻止するためウクライナ軍が破壊した橋を渡っていた。その周辺で、ロシア軍の砲撃が続いた。避難中の母親と子ども2人の少なくとも3人が、橋から続く道路で即死した。現場で取材していた米紙ニューヨーク・タイムズによると、避難を助けて同行していた家族の知人男性も、後に亡くなった(注:リンク先のニューヨーク・タイムズ記事では、亡くなった方々をはっきり写した写真が掲載されています)。

動画説明, ロシア軍、ウクライナ首都近郊で砲撃続ける 避難する家族が犠牲に

ロシア軍はウクライナ各地で、民間人を標的にした攻撃を続けている。ウクライナのオリハ・ステファニシナ副首相は、病院、保育園、学校なども対象になっているとBBCに話した。

副首相はまた、ウクライナ軍が「強力な抵抗」を見せた後に、ロシア軍が民間人に対して「とてつもない作戦」を実施したと説明。ロシアは空からも地上からも攻撃を仕掛けており、「テロリストのような計画」をもっていると非難した。

MAP
Kyiv
Kyiv
Presentational white space

マリウポリの避難、再び停止

ロシア軍に包囲されている南部の港湾都市マリウポリでは、住民らを避難させる2度目の試みが進められたが、わずか数時間で攻撃が再開され避難は停止された。ロシアとウクライナは共に、相手が停戦を破ったと批判し合っている。

赤十字国際委員会は、マリウポリから20万人の避難を開始させる予定だった。ザポリッジャ(ザポロジエ)への避難回廊設置に取りかかったところで、「敵対行為の再開があった」としている。同委員会によると、両国は避難の詳細について合意していなかったという。

View of Mariupol
画像説明, マリウポリ中心部が攻撃され、建物で火の手があがった

マリウポリ議会当局は、ロシア軍の砲撃で民間人の安全な避難が不可能になったため、避難計画は打ち切られたとした。

同市では水道、電力、下水処理が機能していない状態が5日目に入った。食料と飲み水も急速に減っている。

ゼレンスキー大統領がロシア兵に警告

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6日夜の演説で、ロシア軍に対し、ウクライナでの「意図的な殺害行為」に関して「審判の日」はやって来ると警告。戦争犯罪を犯した兵士を、ウクライナ軍はどこまでも追いかけると述べた。

大統領はまた、「どれだけの家族がウクライナでこのような死に方をしたか。私たちは許さない。私たちは忘れない。この戦争で残虐行為を犯した全員を処罰する。この国で」と強調。「ロシア兵はこれまであらゆる事をしたが、まだ満足していないようだ。まだ運命を破壊し足りない。人間をばらばらにし足りない。もっと殺したがっている」と話した。

大統領はさらに、西側諸国の指導者に、ロシアに対して厳しい対応を取るよう強く要求。「侵略者の大胆不敵さは、ロシアへの制裁が不十分であることを西側に明確に示している」と述べた。

プーチン大統領が仏大統領と協議

こうした中、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とフランスのエマニュエル・マクロン大統領は6日、約2時間にわたって電話で協議した。

フランス政府の発表によると、プーチン氏はロシアが「交渉か戦争で」目的を達成するとの見通しを、マクロン氏に伝えたという。

プーチン氏はこれに先立ち、トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領とも協議。同趣旨の話をしたとされる。

一方、イギリスの国防当局は、ロシア軍が過去48時間にわずかしか進んでいないとの見方を示した。ウクライナ側の強固な抵抗と、ロシア軍への物資補給がうまくいっていないことが原因とみている。

英政府はこの日、ウクライナに約1億ドル(約115億円)を支援する方針を発表した。ウクライナ国民の福祉、年金、公務員の給与などに使われる予定だという。

イギリスはすでに2億9000万ドルのウクライナ支援を約束しており、これに追加する格好だ。

ポーランド軍所有のロシア製戦闘機をウクライナに供給

アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、ポーランド軍が保有するロシア製の戦闘機をウクライナに供給することを、ポーランドと協議しているとことを明らかにした。

ウクライナ軍のパイロットは、ロシア製戦闘機の操縦が可能だとされる。ブリンケン氏は、ポーランドがウクライナに戦闘機を供給した場合、ポーランド軍に補充の戦闘機を供給することもあり得るとした。

戦闘機の供給は、ウクライナのゼレンスキー大統領が要請している。ロシア国防省はウクライナの周辺国に対し、ウクライナ軍の戦闘機に発着場所を提供しないよう警告している。提供した場合は、紛争の当事国になるとしている。

<関連記事>

Presentational white space

難民危機が急速悪化

Ukrainian refugees in Przemysl, Poland, 6 March 2022

画像提供, Reuters

画像説明, ウクライナと国境を接するポーランドの都市プシェムィシルには多くの難民が到着している(6日)

ウクライナから他国に逃れる人たちが急増し続けている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、直近10日間で150万人以上がウクライナから脱出したとしている。

フィリッポ・グランディ難民高等弁務官は、第2次世界大戦以降の欧州で最も急拡大する難民危機だと話した。

ポーランド国境管理当局によると、同国は2月24日以降、欧州最多の92万2400人の難民を受け入れている。

ロシアで次々と企業が活動停止

ロシアでの事業を停止させる国際企業が、この日も相次いだ。

米動画配信ネットフリックス、英監査法人PwC(プライスウォーターハウスクーパース)、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが、ロシア国内でのサービス停止を発表した。

中国系の動画共有アプリTikTokも、ライブストリーミングと新たな動画の配信を停止した。

前線で軍のカップルが結婚

戦争の恐怖の中でも、喜びに満ちた瞬間が存在している。

キーウ近郊の軍検問所では、ウクライナ軍所属のカップルが結婚式を挙げた。

キーウ市長でボクシングの元世界ヘビー級王者ヴィタリ・クリチコ氏も出席した。

動画説明, 志願兵が首都キーウの最前線で結婚式 ウクライナ侵攻