ウクライナ都市からの避難、戦闘継続のため中止 ロシアが2都市で一時停戦を発表も

画像提供, Reuters
ロシア軍のウクライナ侵攻開始から10日目の5日朝、ロシア国防省は人道的な避難用回廊設置のため、ウクライナ南部マリウポリとヴォルノヴァハの2都市でモスクワ時間5日午前10時(ウクライナ時間午前9時、日本時間午後4時)から7時間、一時停戦を開始すると発表した。ウクライナ側は日本時間午後4時すぎ、一時停戦を確認したと明らかにした。ただし、同市当局は同日午後、一時停戦合意が完全に順守されていないと批判。人道回廊の目的地になっているザポリッジャ市の周辺で、戦闘が続いているという。
ロシア報道によると、ロシア国防省は両市の市民が避難できるよう「静けさが支配する」時間を設けると、ウクライナ当局と合意したと発表した。
ウクライナ側も当初は、停戦を確認したとして、市民の避難準備に入った。しかし、マリウポリ市役所は同日午後、市民の避難活動を延期したと発表した。ロシア側が一時停戦の合意条件を順守していないからという。
ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリに市役所は、市民に避難場所を見つけるよう呼びかけた。
この少し前に同市の副市長はBBCに対し、マリウポリへのロシアの砲撃は続いており、人道回廊に終着点となっているザポリッジャ市でも戦闘が続いているようだと話していた。
マリウポリのヴァディム・ボイチェンコ市長はこれに先立ち、ロシア軍による都市封鎖と「無慈悲な攻撃」を受け、一般市民が避難できるよう、人道回廊の設置を求めていた。
ヴォルノヴァハ市はマリウポリの北にあり、侵攻開始からずっと激しい砲撃を受けてきた。ロシアが後押しする勢力が一部を実効支配するドネツク地方と、マリウポリを結ぶ道路に接する、戦略上の重要拠点。

ドネツク地方のパヴロ・キリレンコ管理局長は、ウクライナの現地時間午前9時(日本時間午後4時)に一時停戦が始まったと確認した。
数日前からロシア軍に包囲されているマリウポリ市当局によると、一時停戦は現地時間5日午前9時から午後4時までの予定で、市民の脱出は午前11時から始まるはずだった。
ただし、同市当局は同日午前、一時停戦合意が完全に順守されていないと批判している。市当局がソーシャルメディア「テレグラム」に投稿した内容によると、人道回廊の目的地になっているザポリッジャ市の周辺で、戦闘が続いているという。
ウクライナ当局はロシアに対して、人道回廊の全体において一時停戦を実施するよう交渉していると、マリウポリ市当局は書いた。

マリウポリのヴァディム・ボイチェンコ市長は、人道回廊の設置について、「マリウポリは道や家だけの街ではない。マリウポリは住民の街だ」と、感情を込めて語った。
市長は「占領者が絶え間なく、無慈悲にこの街を砲撃している状態では、マリウポリから安全に離れる機会を住民に与えるしかない」と述べた。
全国からすでに120万人が避難

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は5日、すでにウクライナから約120万人が周辺国へ避難したと発表した。その半数以上が隣国ポーランドに入国しているという。
3月3日までの時点で、ポーランドへ入国した人は約65万人に上ったという。
「ウクライナ国外への避難も国内避難も、ますます増えており、移動している人たちは保護と支援を必要としている」とUNHCRは述べた。UNHCRは、侵攻開始前は人口約4400万人だったウクライナから、この侵攻中に推定400万人が脱出する可能性があるとみている。
ウクライナから国外に避難する人たちについて、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は4日、BBCに対して、「人間のなだれ」のように大勢が隣国になだれこんでいるとして、その総数は「急速に150万人にせまりつつある」と話した。
ウクライナの隣国モルドヴァの国境を訪れたグランディ氏は、モルドヴァはすでに20万人を受け入れているものの、欧州連合(EU)加盟国ではない小国には「非常に対応が難しい負担だ」と述べた。
グランディ氏はモルドヴァ当局の働きをたたえ、さらに世界中の個人や民間企業が難民支援に協力していることを称賛。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はこの数日だけで、1億件以上の寄付を受け取ったという。その上で、これは「長期的な危機」になるため、支援を長期間にわたり継続できるかが課題になると見通しを示した。
(英語記事 Ukraine live update )







