ウクライナ侵攻4日目、第2の都市で激しい戦闘 「今後24時間が重要」とゼレンスキー大統領

画像提供, Reuters
ロシアによるウクライナ本格侵攻4日目で、最初の日曜日となった27日は未明から、ウクライナ第2の都市ハルキウで激しい戦闘が起きるなどした。同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同日夜、イギリスのボリス・ジョンソン首相と電話協議し、今後24時間が極めて重要になると述べた。一方、欧州連合(EU)は、避難民の受け入れなどでウクライナを支援する方針を示している。
ロシアは24日以降、ウクライナへの攻撃を、主に北方、南方、東方の3方向から続けている。ロシア軍はウクライナになだれ込み、多くの標的を攻撃している。
ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、ジョンソン英首相と電話で協議。英政府報道官によると、ジョンソン氏はゼレンスキー氏の指導力をたたえ、イギリスや同盟国からの防衛支援がウクライナに届くよう全力を尽くす述べた。
EUとイギリス、ロシア機の上空飛行を禁止


欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は27日、「我々はロシア所有の、あるいはロシア登録の、もしくはロシアが動かす飛行機に対して、EUの領空を閉鎖する」と述べた。ロシアの財閥が所有する自家用機も含め、こうしたロシア機はEU領内への乗り入れも、EUからの離陸も、EU加盟国上空の飛行も認められなくなる。
イギリス政府はすでにロシア機の乗り入れを禁止している。
フォン・デア・ライエン委員長はさらに、ロシア政府の広報機関となっているロシア国営メディア「RT」や「スプートニク」をEUから排除すると発表。「(両社による)害の大きい悪質な偽情報の拡散を欧州で禁止するため、必要な道具を開発中だ」とした。
一方、EU加盟国の多くが、EU初の一時的保護指令の発令を支持していることが、BBCの取材でわかった。同指令では、大規模にEUに流入するとみられるウクライナからの避難民を最大3年間、難民申請なしで受け入れる。3月3日に開かれるEUの会合で協議する見通し。
<関連記事>

核抑止部隊に特別警戒命令

画像提供, Reuters
EUの発表に先立ちロシアのウラジーミル・プーチン大統領は同日、ロシア軍の核抑止部隊に「特別警戒」を命令した。西側諸国がロシアに「非友好的な行動」をとったことを理由にしている。
プーチン大統領はセルゲイ・ショイグ国防相を含む軍幹部に対して、西側がロシアに「非友好的な行動」をとり、「不当な制裁」を科したとして、核抑止部隊に「特別警戒」を命令した。ロシアの核部隊にとって、「特別警戒」は最高レベルの警戒態勢。
この発表は、ロシアがただちに核兵器を使うつもりだという意味にはならない。
米政府や北大西洋条約機構(NATO)などはただちに、「容認できないエスカレーション」だと、プーチン氏の発言を非難した。
プーチン氏は24日にも、ウクライナにおいてロシアを「妨害しようとする者は誰だろうと」、「歴史上見たこともないような結果を見ることになる」と述べていた。これは、ウクライナ侵攻を阻止しようとする西側に対する、核兵器使用の警告だったと受け止められている。
ドイツ、国防費を増大

画像提供, Reuters
ドイツのオラフ・ショルツ首相は27日、独連邦議会で演説し、国防費を国内総生産(GDP)比で2%以上へと大幅に引き上げると方針を表明した。2022年予算から1000億ユーロ(約13兆円)を連邦軍の装備強化などに使う。戦後ドイツ国防政策の一大転換になるこの発表に、議員はざわめき、一部は拍手したものの、ブーイングの声も出た。
ウクライナを侵攻したロシアのプーチン大統領について、ショルツ首相は「ロシア帝国を作ろうとしている」と非難。ドイツがウクライナに直接、武器を供与する方針も示した。これもドイツにとって大きな国防政策の転換になる。
これまでNATO加盟国は長年、ドイツの国防費引き上げを求め続てきたがドイツはそれに応じなかった。NATO加盟国のこの長年の目標を、プーチン大統領は数日で実現したことになる。
首都に向けての戦闘
ロシア軍は25日に首都キーウ(キエフ)近郊のオボロンに進んだが、これまでのところキーウ中心部には到達していない。


米シンクタンクの戦争研究所によると、ロシア軍は現在、キーウ東部へと入るドニプロー川東岸の狭い部分を制圧している。
キーウの路上では前夜から、サボタージュ(妨害工作)グループと呼ばれる集団との戦闘が起きたとの報道が出ている。キーウ南部ヴァシルキウでは、石油貯蔵所が攻撃を受けた。
郊外の住宅地ブチャは砲撃を受けた。近くのイルピンでは激しい戦闘があった。
26日にはキーウ西部の勝利通り付近で爆発が相次いだ。集合住宅1棟がミサイル1発を被弾した。
キーウの西にあるホストメル空港でも激しい戦闘が起きている。
ウクライナ周辺のロシア軍
ロシアは現在、ウクライナ領土のかなりの部分を完全掌握している。
ウクライナの防空システムや他のインフラを24日に攻撃した後、ロシア軍は戦車の車列を、砲撃部隊や空からの支援を受けながら前進させた。


ロシア軍はウクライナの北部、東部、南部に展開している。ミサイルやロケット砲などで攻撃し、部隊を進めている。
アナリストの一部からは、ロシア軍の全般的な進攻スピードが予想より遅いとの指摘が出ている。一部地域でロシア軍に燃料切れが生じているとの報道もある。
北方からの攻撃
ロシア軍は、ウクライナの北からは、センキウカを通って攻め込んでいる。センキウカはウクライナ、ロシア、ベラルーシの3カ国の国境地帯にある。
米シンクタンクの海軍分析センターのマイケル・コフマン氏によると、ロシア軍はここ数週間、ノヴィエ・ユルコヴィチやトレボルトネの付近に大規模な兵力を集結させてきた。「第41軍全軍」も含まれているという。


戦車や多連装ロケット砲発射システムなどを含む車列が、チェルニヒウに進攻した。一部のアナリストによると、ロシア軍は同市で強力なウクライナ勢力と直面し、同市の制圧をひとまず断念した。
報道では、同市を迂回(うかい)して南進を続けた部隊もあるとされる。
ドニプロー川西岸には、チョルノービリ(チェルノブイリ)を経由した部隊が急速に進攻。キーウ北部と西部の広い部分を制圧した。
東方からの攻撃
ロシア軍は27日朝、ハルキウに攻め入った。市街戦や爆発が発生したと報じられた。
現地の画像からは、市街地でウクライナ軍が携行式ロケット弾を発射し、ロシア兵らが装甲車の背後で身を隠しながら歩を進めている様子がうかがえる。
ウクライナ当局は同日、ロシアの攻撃は退けたとした。


報道によると、ドネツク周辺では砲撃が続いている。ドネツクには、ロシア西部ベルゴロドから部隊が攻め込んでいる。
ドネツクとルガンスクには、ロシアの支援を受けた分離派が約1万5000人いるとみられている。それらの人々が、ロシアの進軍を助けている可能性がある。ウクライナは、分離派の人数はもっと多いと考えている。
スーミ周辺でも戦闘が続いている。
南方からの攻撃
ロシア軍はクリミアからも急速に攻め入っており、北東、北西へと進んでいる。
北東に進んだ部隊は、主要港湾都市マリウポリ周辺で激しい戦闘を繰り広げた。
ロシア軍は26日、アゾフ海から水陸両用作戦を実施し、同市西部に攻め込んだ。
マリウポリから東方に進軍することで、クリミアと、親ロシアの分離派が掌握しているドネツクおよびルガンスクを結ぶルートを、ロシア軍は確保し得る。

ロシア国防省は、同国軍が抵抗を受けることなくメリトポリに進入したと主張している。だが、西側当局は、同市はまだウクライナが掌握しているとした。
ロシアはまた、マリウポリの西にある町ベルディヤンスクを包囲したとしている。
ウクライナ軍はヘルソンで激しい攻撃を受けたが、同市を掌握し続けている。オデーサ(オデッサ)では、水陸両用部隊の上陸を阻止したとした。

画像提供, Getty Images
ロシアは戦車や装甲車、部隊をウクライナの海岸に上陸させることができる揚陸艦を、侵攻前から黒海とアゾフ海に展開してきた。









