米欧、国際決済体制「SWIFT」からロシアの一部銀行排除へ

Foreign exchange bureau in St Petersburg

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画像説明, ロシア・サンクトペテルブルクの両替所(資料写真)

欧州連合(EU)とアメリカ、および同盟諸国は26日(日本時間27日朝)、ロシアの複数銀行を国際決済システム「SWIFT」から切り離すことで合意した。共同声明には、欧州委員会、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、カナダ、アメリカの首脳が署名した。制裁には、ロシア中央銀行の外貨準備に関する規制も含まれる。日本政府は27日、この制裁措置に参加すると発表した。

共同声明は、「第一に特定のロシア銀行をSWIFT通信システムから排除する。これによって対象の銀行は国際金融システムから切り離され、世界的に活動する能力が損なわれる」とした。

ドイツ政府の報道官は、「対象の金融機関を国際的な金融の流れから遮断するための措置で、(ロシアの銀行の)国際活動を大規模に制限することになる」と述べた。

ロシアは石油と天然ガスの輸出などで、「SWIFT」による決済に大きく依存している。ただし、この措置はロシアと取引のある西側企業にも損害を与えかねない。

SWIFTとは、国際銀行間の送金や決済に利用される安全なネットワーク等を提供する非営利法人「国際銀行間通信協会(SWIFT、本部・ベルギー)」。国境を越えた速やかな決済や送金、資金の支払いなどを可能にする。世界中の1万1000以上の銀行や金融機関の間で、簡便な取引を支援している。

世界経済を支える極めて重要な役割を担っているが、SWIFTそのものに制裁決定権はない。

この仕組みから切り離されるロシアの銀行について、ドイツの報道官は「国際社会の制裁対象になっているすべての銀行が含まれる。必要に応じて他の機関も同様だ」と述べた。

世界中のほとんどの銀行が使う仕組みだけに、SWIFTから切り離されることはロシア経済に強い制裁効果を与えるとみられる。ただし、ロシアと取引する企業にとっても打撃となる。

ロシアの銀行は、経済の要となっている石油・ガスの輸出取引に、SWIFTを活発に利用している。ロシアによる取引は、SWIFTの世界全体の取引の1.5%を占める。

ロシア中央銀行の外貨準備も規制

共同声明はさらに、「第二に、我々の制裁の影響力を損なう形で、ロシア中央銀行が外貨準備を活用できないように、制限的措置を実施する」とした。

欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は同日、ロシア中央銀行の金融取引を大幅に制限し、外貨準備を自由に使えないようにする制裁も発表した。

欧州委員長は記者会見で、「(ロシア中央銀行の)資産をまひさせ、その取引を凍結させ、中央銀行の資産の流動化を不可能にすることで、ロシアが軍資金を使えないようにする」と発表した。

共同声明は続けて、「ウクライナでの戦争とロシア政府の加害行動に便宜を図る人々に対抗して行動する」として、「いわゆる『ゴールデンパスポート』と呼ばれる、市民権販売の規模を縮小するための措置をとる。このゴールデンパスポートは、ロシア政府とつながるロシアの富裕層が、我々の国の国民となり、我々の国の金融システムを活用する手段となっている」とした。

「ゴールデンパスポート」あるいは「ゴールデンビザ」は、イギリスなどで、高額の投資と引き換えに外国の富裕層に滞在ビザ(査証)やパスポートをスピード発行する仕組み。

共同声明は、「第四に、我々の管轄内に存在する制裁対象の個人・企業を特定し、その資産を凍結することで、我々の金融制裁の効果的な実施を確実にするため、大西洋をまたぐタスクフォースを来週にも始動する」として、「制裁対象にするロシア政府当局者やロシアの実力者とその家族、および支援者たちへの制裁や強制措置を実施し、我々の管轄内に存在する資産を凍結する」と表明した。各国は、こうした人物が世界各地に隠匿(いんとく)する不法所得の移動を特定・阻止するため、他国政府とも連携していくとした。

ボリス・ジョンソン英首相は、イギリスが「断固たる行動」を取ったとして、「プーチンが侵略行為の代償を確実に払うよう、我々は協力し続ける」とツイートした。