米議会、「ウイグル強制労働防止法」を可決 バイデン大統領署名へ

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アメリカ連邦議会上院は16日、中国・新疆ウイグル自治区からの輸入品について、強制労働で生産されていないという証明を義務付ける法案を可決した。
アメリカはかねて、中国政府がこの地域のイスラム系少数民族ウイグル族を弾圧し、ジェノサイド(集団虐殺)を行っていると批判している。中国は、この疑惑を繰り返し否定している。
「ウイグル強制労働防止法案」は上院で、反対票1で可決された。同法案については、新疆地域での取引があるコカ・コーラやナイキ、アップルといった大企業が反対していた。
当初はジョー・バイデン政権も支持せず、ホワイトハウスはここ数カ月、この法案について立場を示していなかったものの、ジェン・サキ大統領報道官は今週に入り、バイデン大統領が署名する方針だと発表した。
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アメリカは、中国政府が資源の豊富な新疆地区で、強制労働とジェノサイドを行っていると非難している。一方、サプライチェーン危機に見舞われているアメリカ企業や国際企業は、ビジネスへの影響を懸念し、ウイグル強制労働防止法に反対してきた。
フロリダ州選出のマーコ・ルビオ上院議員は法案通過後、「多くの企業がすでに、サプライチェーンから強制労働を排除するための対策を取っている。なので端的に言えば、この法案について懸念などないはずだ」と指摘した。
「まだ対策を取っていない企業がいても、アメリカ国民全員が知らずの内にジェノサイドなどの残酷行為の共犯になってしまうような、そのような事態はこれで今後避けられる」
同法案の採択と組み合わせて、野党・共和党はバイデン大統領によるニコラス・バーンズ氏の中国大使指名を阻止していたが、この妨害も同法案可決によって排除された。
商務省や財務省も中国に制裁
米商務省は16日、中国のテクノロジー企業や調査研究所30社以上に対し、中国軍を支援していたとして制裁を発表。アメリカ企業は今後、制裁対象となった企業からの購買に特別な許可が必要となる。
また、中国の軍事医学研究院が、「中国軍による使用を見込んで」、「洗脳兵器とされるもの」を含むバイオテクノロジーを利用していると非難した。
ジナ・ライモンド商務長官は声明で、中国は「こうした技術を自国民の支配と、民族・宗教的少数者の抑圧に使おうとしている」と述べた。
米財務省もこの日、ウイグル族に対する生体認証を用いた監視・追跡システムをめぐり、中国企業8社を投資ブラックリストに登録したと発表した。アマチュアに人気の世界最大のドローンメーカー、DJIも含まれている。
この前日の15日、アメリカから新たな制裁が科せられる可能性について、中国の趙立堅外交部報道官は、「国家安全保障の概念を過剰に拡大することで、アメリカの一部の政治家は科学技術を、そして経済や通商上の問題を、そのイデオロギーに則って政治化し、利用している」と述べた。
「これは市場経済と公正な競争という原則に反している。世界的な産業・供給網の安全を脅かし、害し、国際通商ルールを損なうだけだ」
西側主要国と中国の間の緊張関係は、悪化を続けている。
イギリスとオーストラリア、アメリカ、カナダは先に、中国の人権侵害疑惑を理由に、北京で開催予定の2022年冬季五輪に外交代表団を派遣しないと発表。中国はこれに強く反発している。







