オミクロン株、イギリスでも発見 移動・マスク着用の規制強化

Person in face mask walks past Christmas decorations

画像提供, PA Media

南アフリカで検出された新型コロナウイルスの新しい変異株「B.1.1.529」(オミクロン株)の感染者がイギリスで27日、2人確認された。英政府は同日、週明けからイングランドで店舗や公共交通機関でのマスク着用を再び義務化するなど、感染対策を強化すると発表した。

サジド・ジャヴィド英保健相は、英南東部エセックスで1人、ならびに中部ノッティンガムで1人、オミクロン株の感染者が確認されたと明らかにした。2人はそれぞれアフリカ南部への渡航歴があり、今では家族と共に自主隔離しているという。

エセックス州当局は、エセックス・ブレントウッドで感染が確認された人は、ノッティンガムの感染者とつながりがあり、「南アフリカへの旅行が関係している」と述べた。

政府は、2人の行動を追跡調査し、立ち寄り先での検査を強化している。

Omicron

「一時的で念のため」と首相

オミクロン株の感染者2人がイギリス国内で確認されたのを受け、ボリス・ジョンソン首相は27日午後、首相官邸で記者会見し、対策強化を発表した。

主な対策は次の通り。

  • イギリスに入国する全員は入国2日目が終わるまでに、PCR検査を受けなくてはならない(アイルランドやチャンネル諸島からの入国は除く)。陰性結果が出るまで自主隔離しなくてはならない
  • オミクロン株の感染者と接触した人は全員、ワクチン接種を終えていても自主隔離しなくてはならない
  • 店舗や公共交通機関ではマスクを着用しなくてはならない。ただし飲食店・レジャー施設など接客業の店舗は除外
  • 保健相は科学顧問に、ワクチンの2度目の接種から追加接種の間隔を短縮するなど、追加接種促進について検討を求める

イングランドで店舗や公共交通機関でのマスク着用が再び義務となれば、イギリス国内のウェールズ、スコットランド、北アイルランドと同様の状態に戻る。ただし、スコットランドとウェールズでは接客業の店舗でも継続して、マスク着用が義務付けられている。

ジョンソン首相は会見で、こうした行動制限強化はクリスマスの時期と重なるものの、昨年のクリスマスに比べれば「かなりまし」なものになるし、「一時的で念のため」の対策だと首相は述べた。英政府は昨年12月には、感染拡大を受けてクリスマスの直前になって規制緩和を中止した。

「新しい変異株について科学者たちは刻一刻と知識を増やしている。それによると、オミクロンはとても素早く広まり、ワクチンを2度受けている人同士でも伝染するようだ」とジョンソン氏は説明した。

さらに、「この変異株がここイギリスで広がる速度を緩めなくてはならない。国境での措置は新しい変異株が入るのを完全に食い止めるのではなく、それを最少化して遅らせることしかできないからだ」とも述べた。

首相は、新しい規制は3週間後に検証する方針を示した。その時期には、オミクロン株に対してワクチンがどれだけ「引き続き効果的か」もっと情報を得られているはずだとした。

首相はマスク着用のルール強化について、ジャヴィド保健相が「一両日中に」詳細を発表すると述べた。入国者へのPCR検査義務化をいつから始めるのかは明示しなかった。保健省は「来週から開始」する様々な対策の一環とだけ説明している。

市民は今年のクリスマスの予定をそのまま維持しても大丈夫なのかBBCのイアン・ワトソン記者に質問されると、ジョンソン首相は、「主に、ワクチン接種と追加接種を素早く展開しているおかげで、私たちは今なお強い立場にある(中略)今年のクリスマスは前回のクリスマスよりかなり良いものになるはずだと、かなり自信がある、もしくは確信している」と答えた。

英政府の医療責任者、イングランド主任医務官(CMO)のクリス・ウィッティー教授は会見で、オミクロン株に対してワクチンの効果が下がるかもしれない可能性は「そこそこある」としつつ、2回接種を終えた人、あるいは追加接種を受けた人が重症化する確率は、未接種の人よりも少ないはずだと述べた。

ウィッティー教授は、政府の諮問機関「ワクチン・予防接種合同委員会(JCVI)」が今後、追加接種の対象年齢を18歳まで引き下げるかどうか、さらに2回目の接種を12~15歳に認めるかどうか、判断しなくてはならないとも話した。

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マスク着用について反応

イングランドでのマスク着用義務の復活について、小売り関係の英労組USDAWのパディー・リリスさんは、政府が「基本的で合理的な感染対策で二転三転している」と批判し、今年7月に行動制限を緩和した際にもマスク着用の義務は維持すべきだったと話した。

「大勢の人と毎日接する小売りスタッフは、感染をとても心配している。オミクロン変異株の到着によって、心配がさらに増した」とリリスさんは言う。

英看護協会のキャロル・ポプルストン会長は、マスク着用について「私たちはすでに要求していた。首相に行動をとらせたのは新しい変異株だったが、それがなくても判断できたはずだ」と批判した。

オミクロン株の感染拡大を抑制しようと、世界各国はアフリカ南部の国々に対し渡航制限を強化している。

イギリスは28日午前4時から、南アフリカ、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスワティニ、アンゴラ、モザンビーク、マラウィ、ザンビアの計10カ国からの入国者を、10日間のホテル隔離の対象とする。

イギリスでは1日の感染者数が11月初めから再び増加傾向に戻った。27日には、3万9567人の感染が新たに確認された