アメリカもアフリカ8カ国に渡航制限 オミクロン株を警戒

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アメリカは26日、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が検出されたことを受け、29日からアフリカ南部8カ国からの渡航を制限すると発表した。アメリカ市民と居住者は制限導入後もアメリカへの渡航が認められる。
渡航制限の対象となるのは、南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、レソト、エスワティニ、モザンビーク、マラウイの8カ国。
ジョー・バイデン米大統領は声明で、新たな変異株の詳細が判明するまでの「予防的措置」だと説明した。
アメリカの発表に先立ち、欧州諸国やイギリスはアフリカの一部の国への渡航制限を決めている。
カナダも、南アフリカ、ナミビア、レソト、ボツワナ、エスワティニ、ジンバブエ、モザンビークへの直近の渡航歴がある外国人旅行者の入国を禁止する。この7カ国のいずれかに、過去14日以内に渡航した外国人はカナダへ入国できなくなる。
日本政府も26日、エスワティニ、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、南アフリカ共和国、レソトの6カ国について新たに「水際対策上特に対応すべき変異株に対する指定国・地域」に指定し、27日午前0時から、入国後10日間は国が指定する宿泊施設にとどめる「停留」の措置を開始するなど、水際対策を強化した。
南アフリカの保健省は、各国が渡航制限の導入を急いでいることについて、世界保健機関(WHO)の指針に反した「極めて厳しい」対応だと批判している。
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南アフリカで初めて検出された新型ウイルスの新たな変異株「B.1.1.529」には多数の変異がみられる。この変異株の存在は、24日に世界で初めてWHOに報告された。その後、複数の国でも確認されている。
オミクロン株について分かっていること
科学者たちは、オミクロン株についてはまだ不明点が多く、さらに研究が必要だとしている。
WHOも、専門家がどれほどの感染力があるのか調べているため、オミクロン株の影響を把握するには数週間かかるとしている。
WHOは26日、オミクロン株について、初期段階の証拠では再感染リスクの増加が示唆されていると説明した。
科学者たちは、この変異株にはこれまでで最も激しい変異がみられるとしている。つまり、中国・武漢で発生した新型ウイルスの従来株を用いて開発された新型ウイルスワクチンが、新たな変異株にはそれほど効かない可能性がある。
WHOによると、これまでに報告されたオミクロン株のサンプル数は100に満たない。感染者は主に南アフリカで確認されているが、香港やイスラエル、ボツワナ、ベルギーでもオミクロン株が検出されている。
南アフリカでの感染者のほとんどは、人口の多いハウテン州で確認されている。
英政府のパンデミック・モデリング・グループ「SPI-M」のメンバー、マイク・ティルデズリー博士は26日、南アフリカでは人口の24%しかワクチン接種を完了していないため、感染が急速に広がる可能性があるとBBCに述べた。
渡航制限めぐる反応
WHOは、各国が性急に渡航制限を実施していることをけん制し、「リスクに基づいた科学的アプローチ」を検討すべきだとしている。
南アフリカのジョー・ファハラ保健相は記者団に対し、渡航禁止措置は「不当」だと述べた。
各国による渡航制限は、すでに多くの空港で混乱を引き起こしているようだ。南アフリカ・ケープタウンからオランダ・アムステルダムを経由して英マンチェスターへ向かった乗客は、アムステルダムのスキポール空港の駐機場で4時間待たされた後、PCR検査を受けるために降機したと、BBCに語った。
こうした中、クリスマスシーズンに家族が離れ離れになる恐れも出ている。
ルース・デインズ=スラックさん(70)はクリスマスと母親の100歳の誕生日を祝うため、来週のケープタウン発イギリス行きのフライトを予約していたという。その旅行に行けなくなり、「ショックに打ちのめされている」とデインズ=スラックさんはBBCに話した。そして、イギリスの渡航禁止措置は「場当たり的な反応」だと付け加えた。












