欧州の感染拡大、「非常に心配」とWHO 各国で規制に抗議

画像提供, Reuters
世界保健機関(WHO)は20日、新型コロナウイルスの新たな感染の波がヨーロッパで拡大していることについて、「非常に心配している」と表明した。
WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長はBBCに対し、緊急対策が取られなければ、新型ウイルスによる死者は来年3月までにさらに50万人以上増える可能性があると述べた。
また、マスク着用を増やせば、すぐに効果が出るだろうとした。
ヨーロッパではいくつかの国で、感染率が過去最高となっている。全面または部分的なロックダウンを実施する国も出ている。
クルーゲ氏は、季節が冬になったことや、ワクチン接種率が十分なレベルに達していないこと、より感染力が強いデルタ変異株が広がっている地域があることなどが背景にあるとしている。
そのうえで、感染拡大を抑えるためにはワクチン接種の増加、基本的な公衆衛生対策の実施、新たな治療法の導入が必要だと主張した。
「(新型ウイルス感染症の)COVID-19は改めて、この地域の死因の1位になっている」
「何をしなくてはらないか、みんながわかっている」
ワクチン義務化については
クルーゲ氏はワクチン接種の義務化について、「最後の手段」であるべきだとの見解を示した。
ただ、義務化について「法的および社会的な議論」をすることは「まさしく時宜にかなっている」だろうとした。
「その前に、COVIDパスなど他の方法がある」
「(それらは)自由を縛るものではない。むしろ個々の自由を守るための道具だ」
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オーストリアは義務化へ
オーストリアは19日、欧州諸国で初めて、COVID-19のワクチンを法的に義務付けると発表した。義務化は来年2月からの予定で、どのように強制接種を実施するかの詳細はこれから協議する。
同国では感染者が過去最多を更新しており、全土で新たなロックダウンが実施されている。ワクチン接種率は伸び悩んでいる。
アレクサンダー・シャレンベルク首相はワクチン義務化について、自由な社会にとって困難な決断だと説明。しかし、「この悪循環から抜け出す唯一の方法だ」とBBCに述べた。
「これは社会全体の問題だ。ワクチン接種を済ませても、それらの人々が集中治療室を利用できない場合があり得る。未接種者が感染して病気になり、埋め尽くしてしまうからだ」
オーストリアの首都ウィーンでは20日、ワクチン義務化などに反対する数万人が抗議デモを繰り広げた。多くの人が「ワクチンにノー」、「もううんざりだ」などと書いたプラカードを掲げた。


各国が対策を強化
ヨーロッパの他の国々も、感染者の増加を受けて新たな措置を取り始めている。
チェコやスロヴァキアなども感染率が過去最高を更新。ワクチン未接種者を対象とした新たな行動制限などを導入している。
オランダのロッテルダムでは19日夜、新規の感染対策をめぐって暴動が発生した。政府が制限の拡大を計画していることを受け、数百人が集まり、怒りをあらわにした。20日にはハーグで抗議デモがあり、参加者が警官隊に向けて花火を投げつけるなどした。
ドイツでは、イエンス・シュパーン保健相が現状を「国家的緊急事態」と表現し、全国的ロックダウンをまた実施する可能性も示唆した。
クロアチア、イタリアでも、新たな規制に対する数千人規模の抗議デモが起きた。
イギリスの1日あたりの感染者数は19日、4万4242人に上った。
英政府は、イングランド地方で新たなロックダウンを実施する計画はないとしている。ただ、プランBと呼ばれる追加対策については、国民保健サービス(NHS)を機能させ続けるために導入するかもしれないとしている。
追加対策には、特定の屋内施設においてCOVIDパスポート提示やマスク着用を義務付けたり、在宅勤務を奨励したりすることなどが含まれる。










