東芝、3社に分割へ インフラや半導体などの事業価値向上目指す

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日本の複合企業の東芝は12日、会社全体を事業別に3分割する方針を発表した。インフラ、半導体、デバイスの3分野に注力するという。
東芝をめぐっては、2015年の不正会計スキャンダル発覚以降、「アクティビスト(いわゆる「物言う株主」)から変革を求める圧力が高まっている。
9日には、米ゼネラル・エレクトリック(GE)も3事業別に分社化するという同様の戦略を発表した。
大きな変化
東芝の計画では、エネルギー・インフラ事業とデバイス・ストレージ事業の2つの中核事業が切り離される。
2事業の分社化後も、東芝はメモリチップメーカー「キオクシア」の40.6%の株式やその他の資産は保有し続ける。
2023年後半には組織の再編成を完了させる予定。
株主からの圧力に直面する中、株式市場における同社の異なる事業の価値を高める狙いがある。
しかし、一部のアナリストからは再編にかかる時間を懸念する声が上がっている。
投資銀行ジェフリーズのアトゥル・ゴヤル氏は、「正しい方向へ向かっているが、再編スピードが遅いように思う」と述べ、3〜6カ月で完了するのが望ましいとした。
「2023年というのはずいぶん先の話だ。それまでの間に、ほかにどういう変化が起きるかもわからない」

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東芝は家電から原子力発電所に至るまで幅広く事業を展開する、日本で最も歴史のある大企業の1つ。
しかし近年では、不正会計の影響やアメリカの原子力事業に関連した巨額損失への対処など、苦しい変化に直面している。
2015年には、2008年4月~2014年12月までの約7年間で合計1500億円以上の利益を水増ししていた問題で、当時の田中久雄社長らが辞任した。
その1週間後、当時の車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)が買収をめぐり辞任する事態となった。
東芝はCVCの提案を拒否し、一部の物言う株主の怒りを買った。
複合企業の解体
米ゼネラル・エレクトリック(GE)は9日、会社を3つに分割すると発表した。
同社は2023年初頭にヘルスケア事業を切り離す。また、再生可能エネルギーや化石燃料発電、デジタル部門を1つの文門に統合し、2024年に分社化するという。同社はジェットエンジン製造のGEアビエーションを主力とした企業となる。
GEは発明家トーマス・エジソンを創始者とする企業で、かつては世界で最も市場価値の高い企業だった。この分社化は象徴的製造メーカーの解体を意味する。
<解説>大井真理子、アジアビジネス担当編集委員
東芝の歴史は1870年代までさかのぼる。第2次世界大戦後の数十年間は、日本の経済復興とハイテク産業の象徴だった。
多くの家庭で使われている電化製品から、原子力発電所や石炭火力発電所に至るまで、東芝は日本で大きな存在感を示してきた。
しかし2015年に、過去に売り上げを過剰計上していたと認めたことで、日本企業を苦しめる多くの不祥事の象徴となった。
経営危機に陥った東芝は主力だった半導体メモリ事業を売却し、倒産を免れた。
会社全体を3社に分割するという今回の発表は、一つの時代の終わりを告げるものだ。そして、6月の株主総会で永山取締役会議長の追放に成功した、物言う株主の影響力が増大していることも浮き彫りになった。
複合企業の分社化は日本のビジネス戦略としては一般的ではない。これが果たしてうまくいくのか、そして何より、物言う株主を満足させるのに十分なやり方なのかはまだわからない。









