アメリカの10月の消費者物価指数、30年ぶり高い上昇率 インフレ止まらず

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米労働省が10日に発表した先月の消費者物価指数は、前年同月比で6.2%上昇と、約30年ぶりの高い伸び率となった。食品や燃料価格の上昇が物価を押し上げた。

アメリカの10月の消費者物価指数は、すでに高水準だった9月(前年同月比5.4%上昇)から大幅に上昇した。

米労働統計局によると、食品や居住、中古車・トラック、新車の価格上昇が大きな要因という。

肉、魚、卵の価格はほかの食品よりも上昇し、ガソリンは7年ぶりの高値となっている。

航空運賃とアルコール飲料を除き、ほぼすべての分野で価格上昇がみられた。

新型コロナウイルスのパンデミックが続く中、インフレは買い物客や政策立案者にとって大きな懸念となっている。

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物価上昇の要因

物価上昇の要因の1つとして、一部商品の供給の滞りに加え、新型ウイルスのワクチン接種事業を受けて経済活動が再開され、顧客の需要が高まったことが挙げられる。

また、一部の分野で、人手不足を理由に雇用者が賃金を引き上げていることも物価上昇につながっている。

変動の大きい食品や燃料コストを除いても、物価は4.6%と大きく上昇している。

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画像説明, アメリカのインフレ率。今年は1990年以来の高水準となっている 出典:米労働統計局

労働統計局が発表した月ごとの物価上昇率では、10月は0.9%と、9月(0.4%)に続いて上昇ペースが加速していることがわかる。

年間では、1990年以降で最も速いペースで物価が上昇している。

ジョー・バイデン米大統領は、加速するインフレを下げに転じさせることが「最優先事項」だと述べた。

しかし、政府から独立してインフレ動向を監視する米連邦準備制度理事会(FRB)は、現在の高水準は「一時的なもの」だとの見方を示している。そのため、FRBはすぐには利上げしないとみられる。

FRBのジェローム・パウエル議長は先週、金融政策の引き締めに向けて、債券購入プログラムを縮小すると発表した。

FRBへの圧力

多くのエコノミストは、人材とモノの奪い合いが物価に圧力をかけ続けており、インフレがさらに手に負えない状況になる可能性があると警告している。

資産運用会社プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフ・ストラテジスト、シーマ・シャー氏は、「この数字を見て、大勢の人が目玉が飛び出そうになったと思う」と述べた。

「インフレが解消する前に、状況は明らかに悪化している。居住価格の大幅な上昇がインフレ圧力の拡大を証明している」

居住価格とは住宅ローンや家賃、光熱費など、住居維持のために必要な費用のこと。

シャー氏は、今回のニュースが「FRBに利上げ圧力をかける」ことになるだろうと付け加えた。「それでも、2022年後半までにFRBが行動を起こすかどうかは疑わしい」。

「貯金もできない」

米ルイジアナ州ニューオーリンズでウェイトレスとして働くベシー・クラークさん(29)は、ガソリン価格の上昇を実感していると話す。「毎週着実に、どんどん高くなっている」。

「今では、ガソリンを満タンにするのに30ドル以上かかります。以前は23ドルくらいだったのに」

食費も以前よりかかるようになり、2カ月前は40~50ドルだった食料品店での支払いが、今は60ドルを超えるという。

「私が働くレストランでも肉の値段が上がった分、消費者から回収しないといけない状況です」

貯金もままならず、もっと給料のいい仕事を探しているという。

「いずれ状況が安定することを願うしかありません」

Bessy Clarke

画像提供, Bessy Clarke

画像説明, ウェイトレスとして働くベシー・クラークさん