COP26、首脳会合始まる 「時間がなくなっている」とボンド映画引き合いに

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国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の首脳会合が1日、英スコットランド・グラスゴーで始まった。温室効果ガス削減の具体策などについて、約120カ国の首脳が2日間にわたり協議する。
COP26議長国イギリスのボリス・ジョンソン首相は、開会のセレモニーで各国首脳や代表団を歓迎した。そして、ジェイムズ・ボンド映画の新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」を引き合いに、気候変動に対処するための「時間がなくなってきている」と述べた。
ジョンソン氏は、ボンドは世界を滅ぼそうとする勢力と戦うことが多いとした上で、「(気候変動)は映画ではなく、終末装置は実在する。これこそ悲劇だ」と述べた。

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その上で首相は、気温上昇が摂氏2度進むと食料供給が危うくなり、3度進むと山火事やサイクロンが増え、4度進めば「すべての都市に別れを告げることになる」と述べた。
「我々が行動せずにいる期間が長くなればなるほど事態は悪化し、最終的には大惨事によって行動せざるを得なくなる。その代償はいっそう高くつくことになる」
先進国は特別な責任を負っている
ジョンソン氏は、「COP26を気候変動問題に本腰を入れるきっかけにしなければ」、「世界の怒りと焦り」は抑えきれなくなると語った。
また、何もかも「一度に」実行するのは無理でも、自分たちには「刻一刻と時間を刻む終末装置」を解除する技術があるとした。
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さらにジョンソン氏は、環境に優しい経済へと移行するには、先進国が「他の国々を支援しなくてはならない、特別な責任があることを認識」する必要を強調した。
未来の子どもたちが「我々を評価」
ジョンソン氏は、政治家は2050年や2060年に何をするのかを語るが、COP参加者の平均年齢は60歳を超えていると指摘。将来生まれてくる子どもたちが、自分たちの行動の是非を判断することになると述べた。
「我々は失敗やミスは許されない。もしそんなことになれば、未来の子どもたちは我々を許さない。グラスゴーの会議が歴史の転換点だったのに、歴史を変えられなかったと言われてしまう」
「自然をトイレ扱いするな」
アントニオ・グテーレス国連事務総長は、温室効果ガス排出量削減に向けた緊急行動を最も声高に主張する1人。そのグテーレス氏は、「化石燃料への依存が人類を瀬戸際に追い込んでいる」と力説した。
「我々が化石燃料を止めるか、化石燃料が我々を止めるかだ。もうたくさんだと声を上げる時が来た。炭素で自滅するのはもうたくさんだ。自然をトイレのように扱うのはもうたくさんだ。燃やしたり採掘したりして、どんどん深みにはまるのはもうたくさんだ。我々は自分たちの墓穴を掘っているようなものだ」

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「文字通り時間切れ」
休養のため参加を取りやめたエリザベス女王に代わって出席したチャールズ皇太子は、新型コロナウイルスのパンデミックによって、国境を越えた危機が「いかに壊滅的か」あからさまになったと述べた。
気候変動問題については、「文字通り時間切れだ」、「私たちは何をすべきかわかっている」と述べた。

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そして、増大する債務に苦しむ国々を支援するために、「世界の民間部門の力を結集するため、軍事作戦的な大々的な取り組みが必要」だとした。
「何も行動しないことへの代償(コスト)は、予防策を行うコストよりもはるかに大きい」

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多くの代表団が飛行機で現地入り
COP26は昨年開かれる予定だったが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で1年遅れの開催となった。
会場はグラスゴー中心部から約1.6キロ西にあるスコティッシュ・イベント・キャンパス。国連関係者や各国代表などの会議は、大型展示施設などがある「ブルーゾーン」で開かれる。
首脳会合初日の午前中は、ブルーゾーンへの入り口でのセキュリティチェックに長蛇の列ができ、同ゾーンへの出席が認められた人々の到着が遅れた。
世界各国の首脳たちは、ジョンソン首相やグテーレス国連事務総長と記念撮影するため、クライド川沿いに位置するスコティッシュ・イベント・キャンパス内の大ホールに立ち寄った。
COP26にはアメリカのジョー・バイデン大統領やドイツのアンゲラ・メルケル首相、アイルランドのミホル・マーティン首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、スペインのペドロ・サンチェス首相、イスラエルのナフタリ・ベネット首相らが出席している。
一方で、中国の習近平・国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は不参加の予定。BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長によると、習主席はビデオではなく文書で声明を出す。また、トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領の出席はまだ不明という。

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バイデン米大統領ら各国首脳や代表団は空路で現地入りした。
飛行機は大量の温室効果ガスを排出することから、スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は、各国代表団がそれぞれ飛行機でスコットランド入りしたことは、世界へのメッセージとしては「微妙」だとしつつ、各国首脳が対面で直接協議することの意義も認めた。
「実に大勢が長距離を移動したことを思えば、それだけの価値があったと納得できる結果を各国首脳は出さなくては。プレッシャーはますます増えるはずだ」

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