トランプ氏元側近の訴追、米下院が要求 「議会侮辱罪」と決議

Steve Bannon and Donald Trump

画像提供, Getty Images

画像説明, スティーヴ・バノン被告(左)とドナルド・トランプ前大統領

アメリカの連邦下院は21日、ドナルド・トランプ前大統領の首席戦略官だったスティーヴ・バノン氏を議会侮辱罪で訴追するよう求める決議案を採択した。

バノン氏は、今年1月に起きた米連邦議会襲撃事件を調査している下院特別委員会から召喚状を受けたが、出席を拒否。下院はこれが議会侮辱罪に当たるとする決議案について投票を行った。

下院本会議での採決に先駆け、特別委は19日、バノン氏を議会侮辱罪で訴追すべきだと決議していた。

与党・民主党が過半数を占める下院での投票結果は、賛成229対反対202と、おおむね党派に沿ったものとなった。共和党議員で賛成したのは9人のみだった。

決議は今後、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党)の承認を経て司法省へ送られる。訴追するかは司法省が最終判断する。

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1月6日の議会襲撃では、2020年大統領選でジョー・バイデン氏が勝利した結果を議会が認定している最中、トランプ氏の支持者たちが議事堂に侵入した。これまでに670人以上が起訴されている。

バノン氏について特別委は、昨年12月遅くのトランプ氏とのやり取りや、選挙の転覆を図った計画を協議した際の関与について質問するとしている。

下院での投票に先立ち、特別委のベニー・トンプソン委員長は、バノン氏はこの暴動について「有益な」情報を持っているとみていると述べた。

「証人が我々を完全に無視し、それについて何の措置も取られなかった場合、下院にとってどんな先例になるだろうか」とトンプソン議員は語った。

トランプ氏が証言拒否を働きかけ

一方、共和党のジム・バンクス議員は、「アメリカ国民に対する違法な刑事捜査」だと特別委を批判。バノン氏は民主党に「鼻つまみ者」にされていると述べた。

メリック・ガーランド司法長官は投票に先駆けて下院で、バノン氏の刑事訴追の可能性について証言。司法省は「起訴の原則にのっとり、事実と法に照らし合わせて決定する」と述べた。

議会侮辱罪を法廷で争うのは非常に困難とされる。最後に同罪で起訴されたのは1983年、レーガン政権の職員だった。

トランプ氏は、バノン氏を含む側近らに、特別委の召喚に応じないよう強く求めてきた。当時のやり取りは、ホワイトハウスの公文書を非公開にする大統領権限によって守られていると主張している。

バノン氏は今回の決議についてコメントしていない。同氏の弁護人は先に、トランプ氏の大統領権限にまつわる主張が法的に解決した場合のみ、調査に協力するとしている。