イギリス、ニュージーランドと自由貿易協定で合意

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イギリスは20日、ニュージーランドと自由貿易協定(FTA)の締結に合意した。消費者と事業者の利益になると、英政府は説明している。
両国は1年4カ月にわたって交渉を続けてきた。イギリスのボリス・ジョンソン首相とニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相はこの日、ビデオ通話でFTA締結に合意した。
ジョンソン氏は、FTAによって輸出コストを削減でき、ニュージーランドの労働市場が専門技術をもつイギリス人に開かれると述べた。
英政府は今回のFTAが、カナダや日本などの国々でつくる環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)にイギリスが加わることへの一歩になることを期待している。
一方で、ニュージーランドとのFTAによって英経済が大きく成長する可能性は低いとも予測している。
イギリスの貿易全体に占めるニュージーランドとの交易の割合は0.2%に満たない。
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ニュージーランドにとっては、イギリスにより多くの羊を輸出できるようになることから、いくらかの経済効果を生むとみられている。
イギリスの野党・労働党と全英農業者連盟(NFU)は、今回のFTAがイギリスの農家にとって打撃となり、食品基準を低下させる恐れがあると訴えた。
何が変わるのか
FTAによって、衣料品、船舶、ブルドーザーなどのイギリス製品や、ワイン、はちみつ、キウイフルーツなどのニュージーランド製品にかけられている関税が撤廃される。
弁護士や建築家といった専門職のイギリス人が、ニュージーランドでさらに働きやすくなると、英政府は説明している。
FTA締結で合意した際のビデオ通話で、ジョンソン氏は「私たちはスクラムを組み、がっちりと固まり、一緒になってボールをラインの向こうへと持ち込んで協定を結んだ。素晴らしい協定だと思う」と話した。
これに対しアーダーン氏は、「ラグビーの比喩はとてもいいと思ったが、それを続けるなら当然、オールブラックス(ニュージーランド代表)が勝つことになるだろう」と応じた。
そして、「ニュージーランド国民もこのFTAについてそのように考えているだろうが、実際には、双方にとっていいことだ」と述べた。

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CPTPP加盟の布石
イギリスにとってニュージーランドとのFTAは、今年6月にオーストラリアと結んだFTAと合わせ、大型の貿易圏CPTPPへの加盟に向けた布石となるものだ。CPTPPには、オーストラリア、カナダ、メキシコ、日本などが参加している。
イギリスはすでに、そうした国々の多くと貿易協定を結んでいる。イギリスがまだ欧州連合(EU)加盟国だった頃に締結したものだが、そのまま持ち越している。
CPTPPに加わることで、サービス関連やデジタル貿易において商機が増すと、英政府はみている。
BBCのラムザン・カーマリ・ビジネス担当記者は、先月就任したばかりのアン=マリー・トレヴェリアン国際貿易相が今回のFTAについて、イギリスのCPTPP加盟申請にとって有利にはたらくと考えていると説明。
ただ、イギリスが本当に貿易協定を結びたい相手はアメリカだとし、アメリカで政権交代があったことで、その実現は遠ざかったと解説した。
反対の声も
英農業団体のNFUは今回のFTAについて、オーストラリアとの間で結んだものと同様、特にイギリスの畜産農家に「ものすごい不利益」をもたらす恐れがあるとした。
ミネット・バターズNFU会長は、「私たちはさらに大量の輸入食品を受け入れることになる。私たちの高い基準を満たした製品なのかに関係なくだ。それに対するイギリス農家への保護策は、ほぼゼロだ」とFTAを批判した。
労働党の影の貿易相エミリー・ソーンベリー氏は、今回のFTAが「農業分野での雇用を減らし、経済成長は生まず、(新型コロナウイルスの)パンデミック前と比べて1億1200万ポンド(約177億円)しか輸出を増やなさない」と、政府自らが予測していると指摘。
唯一の勝者は「ニュージーランド畜産農業界の巨大企業」だとした。








