ビートルズの解散、レノン氏が「引き起こした」 マッカートニー氏が主張
マーク・サヴィッジ、BBC音楽担当編集委員

画像提供, Reuters
英ロックバンド、ビートルズの解散をめぐっては50年近く、サー・ポール・マッカトニーに責任があると広く思われてきた。しかし、マッカートニー氏はBBCとの最新インタビューで、この見方を否定した。
マッカートニー氏が解散のきっかけを作った「証拠」とされてきたのが、同氏が1970年に出したソロアルバム「マッカートニー」の報道発表資料だ。
その中で同氏は、ロック界最大のバンドから「休み」を取っていると明らかにした。
また、自分で自分にインタビューする形で、「レノンとマッカートニーが再び曲作りの現役パートナーになる時期を展望」できないと述べた。
解散は「レノンが促した」
しかし、マッカートニー氏は今回のBBCインタビューで、解散はジョン・レノン氏(故人)が促したと述べた。
「解散のきっかけを作ったのは僕じゃない。そうしたのは、われらがジョニーだ」と、マッカートニー氏はインタビューをしたジョン・ウィルソン氏に述べた。
「解散のきっかけを作った人間は僕じゃない」
「ああ、違う違う。ある日、ジョンが部屋に入って来て、ビートルズを離れるつもりだと言った。『とてもぞくぞくする。離婚に似ている』とも言った。残された僕たちが、後片付けをしなきゃならなかったんだ」
「続けたかった」
ウィルソン氏は、レノン氏が去らなければ、ビートルズは続いたか尋ねた。
マッカートニー氏は「かもしれない」と答えた。
「要するに、ジョンはヨーコとの新生活をスタートさせ、(中略)平和のためにアムステルダムで1週間、ベッドインをしようとしていた。それに反対するわけにはいかなかった。あれは僕の人生で一番つらい時期だった」
「これは僕のバンド、僕の仕事、僕の人生そのものだった」と、マッカートニー氏はビートルズについて付け加えた。
「続けたかった。自分たちはかなりいい仕事をしてると思っていた。『アビイ・ロード』や『レット・イット・ビー』は悪くなかった。続けられると思っていた」

マッカートニー氏は、ビートルズの解散をめぐる混乱は、新しいマネージャーのアレン・クライン氏(故人)によって悪化したと述べた。マッカートニー氏はクライン氏と共に働くのを拒んだが、クライン氏は当時、ビートルズのビジネス面に区切りをつけるには、時間が必要だと話していたという。
「それで数カ月間、僕たちは何事もないふりをする羽目になった」
「妙な感じだった。自分たちはみんなビートルズは終わりだと知っていたのに、さっさと離れられなかった」
メンバーを相手取り訴訟
マッカートニー氏はその後、他のバンドメンバー全員を相手取り訴訟を起こした。ビートルズの作品をクライン氏が管理できないようにするため、契約関係の解消を求めた。
「(クライン氏と)闘わなくてはならなくて、そのためにはビートルズの他のメンバーたちを訴えるしか方法がなかった。3人はクラインに同調していたので」
「後になって、みんな僕に感謝した。でも、解散のきっかけを作ったのは僕じゃない」
マッカートニー氏はこれまで、ビートルズ作品の権利を守るため自分が法廷で争わなければ、1995年から発表を開始した「ザ・ビートルズ・アンソロジー」や、ピーター・ジャクソン監督による近日公開のドキュメンタリー「ゲット・バック」などのアーカイブ・プロジェクトは実現しなかっただろうと話している。
今回のマッカートニー氏のインタビューの全編は、BBCラジオ4のシリーズ「This Cultural Life」で今月23日(イギリス時間)から放送の予定。BBCラジオはオンラインで日本からも聞くことができる。
25日からは、マッカートニー氏が新著「ザ・リリックス」を自ら朗読した録音を、BBCサウンズで聞けるようになる。








