国際宇宙ステーション、「修復不能な」故障の恐れ ロシア関係者が警告

The ISS pictured from a Soyuz spacecraft last year

画像提供, Reuters

画像説明, ロシアの宇宙船ソユーズから昨年撮影したISS

ロシアの宇宙開発関係者は8月30日、国際宇宙ステーション(ISS)について、機器やハードウェアの老朽化で「修復不可能な」故障に見舞われる恐れがあると警告した。

ISSのロシア部分の開発で中心的な役割を担っている宇宙開発企業「エネルギア」のチーフ・エンジニア、ウラジーミル・ソロフィエフ氏は、国営メディアに対し、ISSのロシア部分に搭載されているインフライト・システムの少なくとも80%が使用期限を過ぎていると語った。

また、時間の経過とともに状態が悪化する恐れのある小さな亀裂も複数見つかったとした。

ロシアはハードウェアに関する懸念をたびたび表明しており、2025年以降にISSから撤退する可能性を示唆している。

ISSは1998年、ロシア、アメリカ、カナダ、日本、欧州数カ国の共同プロジェクトの一環として建設された。当初、運用期間は15年の予定だった。

「悪い状況」

ソロフィエフ氏は、「(インフライト)システムが完全に消耗すれば、文字通りその翌日に、修復不可能な故障が始まり得る」と述べた。

同氏は昨年、ISSの機器の多くが老朽化し始めており、近いうちに交換が必要になると警告していた。

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元宇宙飛行士でもあるソロフィエフ氏は、ロシアの貨物モジュール「ザーリャ」に「表面的な」亀裂が見つかったとも発表した。これはISSで最も古いモジュールの1つで、現在は主に倉庫として使用されている。

「悪い状況だ。時間の経過とともに亀裂が広がり始める可能性を示している」と、ソロフィエフ氏はロシア国営RIA通信に語った。

ロシアのユーリ・ボリソフ副首相は4月に国営テレビで、ISSの金属の老朽化は「取り返しのつかない結果、つまり大惨事につながる」可能性があるとし、「そのようなことがあってはならない」と述べた。

ロシアの国営宇宙公社ロスコスモスも昨年、構造的な疲労により2030年以降はISSは運用できないだろうと発表した。

ロシア部分で問題相次ぐ

ロシアの宇宙開発計画は、近年の一連の予算削減や汚職スキャンダルなどで打撃を受けている。ISSのロシア部分でも問題が続出している。

7月には、ロシアの実験棟「ナウカ」のジェット・スラスター(推進装置)が誤作動により警告なしに噴射され、ISSが一時不安定になった。

ISSクルーの居住区域がある「ズヴェズダ」サービス・モジュールでは2019年以降、何度か空気漏れが起きている

こうした行き詰まりがある中でも、ロシアの宇宙開発当局は金星探査ミッションや、地球から宇宙への往復が可能なロケットの製造、来年の月面ミッションなど、野心的な取り組みを約束している。