大規模な土石流で多数が安否不明 熱海市

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静岡県熱海市で3日午前10時半ごろ、大規模な土石流が発生し、複数の家屋が流されるなどして大勢が安否不明となった。
静岡県は5日夜、住民基本台帳に基づき、被害地域に住んでいたとみられる人でまだ安否の分かっていない64人の名前を公表した。熱海市は6日、本人や親類などからの連絡が相次ぎ、不明者は24人になったと発表。その後、県災害対策本部が新たに5人の安否不明を明らかにした。このため、6日夕現在の不明者は計29人になる。
熱海市は3日夜、海で救助され心肺停止になっていた2人の女性の死亡が確認されたと発表した。4日には、前日に住宅から救助された高齢女性の死亡が確認され、5日と6日にそれぞれ1人、新たに死亡が確認された。土石流による死者は計5人となった。
一方、5日までに、自宅に取り残されるなどした24人が救出された。
朝日新聞によると、熱海市伊豆山では4日、湯原珍江(よしえ)さん(75)と夫の栄司さん(75)が自宅から26時間ぶりに救出された。珍江さんが重機のような轟音(ごうおん)を自宅3階で聞き、外にいた栄司さんに声をかけた。栄司さんは間一髪で土石流を逃れたという。
土石流被害のあった伊豆山(いずさん)地区の現場付近では、3日未明から朝にかけて大雨が降った。日本では関東から九州南部にかけての太平洋沿岸に延びる梅雨前線の影響で、2日午前から各地で激しい降雨があった。
ソーシャルメディアに投稿された動画は、山の斜面から黒い土砂が市街地を通って海へ向かって、激しい勢いで流れ落ちる様子をとらえている。複数の家屋が飲み込まれたり、破壊されたりした。
目撃者はNHKに対して、「外に出るとすでに土砂が道路を覆っていて、消防が付近の人に避難を促している最中にすごい音がして土石流が流れてくるのが見えたので、走って高台に避難しました。戻ってみると、寺院の前にあった家も車も流されていました。大木や壊れた家のものとみられるものが、がれきになって流れていました」と話した。
菅義偉首相は3日夕、関係閣僚会議を開いた。首相官邸は危機管理センターに官邸対策室を設置した。
警察や消防のほか、静岡県知事の災害派遣要請を受けて防衛省が派遣した、自衛隊員30人が救出・捜索作業に当たっている。

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太平洋側の記録的な大雨のため、静岡県や神奈川県、千葉県を中心に20を超える自治体で避難指示が出されている。
日本では梅雨の季節に土砂崩れや増水が起きやすい。昨年7月には熊本県を中心に九州や中部地方などで発生した集中豪雨のため、80人以上が死亡した。2018年には6月末から7月にかけて、西日本のほか北海道や長野県など広い範囲で豪雨が発生し、260人以上が亡くなった。






