レズビアンや独身女性、体外受精など不妊治療の対象に フランスで法案可決

Newborn baby - file pic

フランスの国民議会(下院)は29日、異性のカップルにのみ認めてきた不妊治療について、独身女性やレズビアンのカップルにも認める法案を可決した。

性と生殖に関する権利の拡大をめぐっては、フランス国内で過去2年にわたり激しい議論や反対デモが起きていた。

これまでは、ベルギーやスペインに渡り、多額の費用をかけて不妊治療を受けるフランス人女性も多かった。

この新法により、フランスは欧州連合(EU)の10カ国やイギリスと同様の制度を設けることとなる。

同様の法律を制定しているのは、EU加盟国ではベルギー、スペイン、デンマーク、フィンランド、アイルランド、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スウェーデン。EU加盟国以外ではアイスランド、ノルウェー。

仏IFOPの最新の世論調査では、フランス人回答者の67%が新法に賛成と答えた。

上院ではこの法案への反発があり、草案には1500以上の修正が加えられたが、最終的な判断をするのは下院だった。下院はエマニュエル・マクロン大統領率いる中道政党「共和国前進」(LREM)会派が過半数を占めていることから、同法案は29日、賛成326票、反対115票で可決された。

オリヴィエ・ヴェラン保健相は、2021年末までに新法の適用による最初の妊娠が確認できることを望んでいるとした。ただ、右派の野党政治家が関与する憲法評議会が審査を求めた場合、法律の改定に遅れが生じる可能性がある。

<関連記事>

新法では、43歳以下のすべての女性が体外受精(IVF)や人工授精をはじめとするさまざまな不妊治療を受けられるようになる。費用はフランスの医療サービスでまかなわれる。

また、ドナーの精子を使って妊娠した子供は、成人した際にドナーの身元を知ることができるようになる。

フランスの国民健康保険機関によると、同国では2018年、医学的支援による生殖(MAP)が約15万回試みられ、2万5120人の赤ちゃんが誕生した。これは全出生数の3.3%にあたる。

また新法には、出生証明書に実母とそのパートナーの両方を子供の両親として登録できると明記されている。

「遅すぎる可決」

レズビアンで子供を持つマガリ・シャンプティエさんは、「この法律ができて安心した。私たちは長い間、この法律を待ちわびていた。ただ、出産可能年齢を考えると、多くの女性にとっては遅すぎる可決だった」と、地元紙ラ・デペシュに語った。

シャンプティエさんのパートナーはMAPで2人の子供を妊娠するためにスペインへ渡ったという。「私は結婚して、法的に子供の親になるまで1年待たなければならなかった。この法律があればそうしたストレスがなくなるし、海外の治療と違って無料で治療が受けられるようになる」。

パリ在住の独身の乳母、ローリーさんは、「私は2度妊娠したけど赤ちゃんをなくした。自分には医療支援が必要だと判断した。今はたとえ病気になっても、たとえ相手の男性を見つけられなくても、いつかは子供を持てると思っている」と話した。

Laurie
Laurie
I was pregnant twice but lost the babies. Nature decided I need some medical assistance. I know now, even if I am sick, and even if I don't find a man, one day I could have a child
Laurie
Single nanny in Paris
1px transparent line

レズビアンの恋人がいるパリ在住のジャーナリスト、ルーシーさんは、「フランスで結婚の平等を認める法律が成立してから何年もたっている。IVFの平等が実現するのに、私たちは2021年まで待たなければならなかった。これはほろ苦い勝利だといえる。ここまで来るのに本当に長い道のりだったので」と語った。

Lucie
Lucie
It has been years since marriage equality passed in France. We had to wait until 2021 to have IVF equality. It's a bittersweet victory because it has taken so long to get here
Lucie
Paris journalist in lesbian relationship
1px transparent line