新型ウイルスワクチンの追加免疫接種、秋の開始に向け準備=英保健相

UK health secretary Matt Hancock
画像説明, マット・ハンコック保健相

イギリスのマット・ハンコック保健相は21日、秋から開始する予定の新型コロナウイルスワクチンのブースター(追加免疫)接種事業について、数週間以内に準備を始めると述べた。

イギリスでは現在、3回目のワクチン接種についてさまざまな組み合わせを研究する「Cov-Boost臨床試験」が行われている。

BBC番組「ブレックファスト」に出演したハンコック保健相は、「どの組み合わせが最も効果的か実験している」と説明。

「数週間で臨床データを元にその組み合わせが判明すれば(中略)秋に開始するブースター接種事業の詳細を全て公表できる」と語った。

国民保健サービス(NHS)基金や医師らはかねて、ブースター接種には課題が多いため、今すぐ計画策定を進めるべきだと指摘していた。

ブースター接種に当たっては、元々のワクチン接種による免疫がどれくらい続くのかなど、多くの疑問に答えが必要だという。

一方、世界保健機関(WHO)は先に、イギリスのような富裕国はブースター接種を用意する前に低所得国にワクチンを寄付するべきだと訴えている。

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イギリスでは新規感染者が増加傾向にあり、政府は20日に新たに9284件を報告。死者はこの日、6人だった。

一方、イギリスでは現在、成人の60%近くが2回のワクチン接種を終えている。1回目を受けた人は成人の80%以上に達した。

特に最近はワクチン接種を急ぐ人が多く、18歳以上が対象になったイングランドでは、18日と19日だけで100万人以上が接種予約をしていた。

Rosi Stamp, aged 25, receives a Pfizer BioNTech COVID-19 vaccine at an NHS Vaccination Clinic at Tottenham Hotspur"s stadium in north London

画像提供, PA Media

接種は毎年必要になるのか?

NHS基金を代表するNHSプロヴァイダーズのクリス・​ホプソン会長と、王立一般医協会のマーティン・マーシャル会長はこの日、7月19日までに全ての成人に1回目のワクチンを接種させるという目標は、「ゴールというよりはスタートラインだ」と話した。

政府はかねて、新型ウイルスのワクチンのブースター接種を行うと約束しているが、ホプソン会長とマーシャル会長は、毎年このワクチンを接種するとなると「これまで以上に大変な難題」が出てくるだろうと指摘。以下の点について答えを知ることが重要だと述べた。

  • 元々の2回の接種による免疫はどれくらい続くのか。ブースター接種は必要なのか
  • ブースターでは、最初に受けたワクチンと同じ種類を打つことになるのか
  • 変異株向けに調整されたワクチンはどれくらい効果があるのか
  • COVID-19ワクチンは、インフルエンザワクチンのように毎年調整するのか。もっと頻繁に調整するのか
  • 未成年は接種対象となるのか。その場合の年齢や接種場所、同意の有無などはどうするのか

また、新型ウイルスとインフルエンザのワクチンをそれぞれの腕に同時に接種する案も視野に入れるべきだが、その場合は接種事業がさらに難しくなると話した。

さらに、スポーツ施設や公共施設に依存するのではなく、正規のワクチン接種センター設置に投資する必要もあると指摘した。

ホプソン会長はBBCの取材に対し、インフルエンザワクチンの接種は9月には始まるため、政府は早急にこれらの疑問に答えるべきだと述べた。

ロックダウンが一部緩和

イングランドではロックダウン緩和が6月21日から7月19日に延期された。政府は、ワクチン接種が緩和への唯一の道だと繰り返し強調しており、延期でさらに多くの人がワクチンを受けられるとしている。

こうした中、21日には一部の規制が緩和された。結婚式の参加者の上限が撤廃されたほか、介護施設の訪問条件にも変更が加えられた。サッカー欧州選手権など大型イベントでの感染対策の試験運用も続いている。

ウェールズでも、音楽や演劇イベントの入場者、結婚式の参加人数などが、会場の規模に応じて緩和された。

一方、北アイルランドは7月5日まで、スコットランドは7月半ばまで、現行の制限を続ける予定だ。