白人警官を第2級殺人容疑で訴追 ミネソタ州の黒人男性殺害

Kim Potter booking photo

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画像説明, 逮捕されたキム・ポッター元警官は、ミネソタ州ヘネピン郡刑務所で勾留されている

米ミネソタ州ブルックリンセンターで黒人男性が警官に撃たれて死亡した事件で、同州刑事逮捕局(BCA)は14日、発砲した白人警官を第2級殺人(計画性のない意図的な殺人=故殺)の容疑で逮捕・訴追したと発表した。

逮捕されたキム・ポッター元警官は、ミネソタ州ヘネピン郡刑務所で勾留されている。

ドーンテ・ライトさん(20)は11日午後、ナンバープレートの期限切れを理由に停車させられた。すでに別件の武器所有容疑で逮捕令状が出ているという身元照会結果をもとに警官たちが逮捕しようとすると、ライトさんが車に乗り直したため、キム・ポッター警官が発砲した。ライトさんはそのまま数ブロック運転を続けたものの、別の車両に衝突。その場で、死亡が確認された。

ライトさんが車に乗り込むと、ポッター警官が「テイザー、テイザー」と繰り返す様子が、警官たちのボディカメラ映像で確認できる。

動画説明, テイザー銃と「取り違えて発砲」 米黒人男性射殺事件で警官のボディカメラ映像公開

事件を受けてブルックリンセンターの警察本部前では抗議行動が連日続き、ポッター警官は署長と共に13日に辞任した

BCAによると、ポッター元警官を14日午前に同州セントポールで、故殺容疑で逮捕し、ヘネピン郡刑務所で勾留した。

ポッター容疑者はこれまで、ライトさんをテイザー銃で撃つつもりが誤って短銃で撃ってしまったのだと説明していた。

元警官の業務上過失が認められて有罪になった場合、最大量刑は禁錮10年と罰金2万ドル(約220万円)。

ライトさんの遺族を代理するベン・クランプ弁護士は元警官逮捕を受けて、ライトさんは「意図的に、故意に、不当な威力行使」によって殺害されたと批判した。

クランプ弁護士は声明で、「どのような有罪判決が出たとしても、ライト一家の大切な家族は戻らない。勤続26年のベテラン警官は、テイザー銃と銃の違いを承知している。キム・ポッターは、軽い交通違反と軽犯罪違反の逮捕状だけを理由に、ドーンテを処刑した」と述べた。

元警官の訴追が発表されると、ブルックリンセンターのマイク・エリオット市長はツイッターで、「ドーンテ・ライトは今晩、このコミュニティーに属するほかの多くの黒人やラティーノと同様、生きて家族と一緒に自宅にいるはずだった」と書いた。

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人権団体・全国有色人種向上協会(NAACP)のデリック・ジョンソン会長はツイッターで、「警察バッジが、問題行動の責任に対する盾になってはならない。ドーンテ・ライトは警官にむごたらしく殺された。正義が勝たなくてはならない」と書いた。

Daunte Wright

画像提供, Katie Wright

画像説明, ドーンテ・ライトさん

3日連続の抗議

ブルックリンセンターでは13日夜、事件に抗議する人たちがびんなど様々なものを警察本部に投げつけ、警官たちはこれに催涙ガスや閃光弾、ゴム弾で応じた。

13日午後にはライトさんとフロイドさんの家族が抗議集会に集まり、アメリカの警察は武器を持たない黒人を殺し続けるのを止めるよう訴えた。

フロイドさんの弟、フィロニス・フロイドさんは集会で、「またしてもアフリカ系アメリカ人の男性が殺害され、世界は恐れおののいている」と批判した。

protester

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画像説明, ブルックリンセンターではライトさんの死をめぐり市民が抗議した

ブルックリンセンター警察のティム・ギャノン署長は12日、ポッター警官がテイザー銃と拳銃を取り違えた「事故」が原因だと話していた。

しかし、ライトさんの遺族は警察側のこの説明を受け入れていない。

ライトさんのおば、ナイーシャさんは「あの(現場)ビデオを、みんなと同じように私も見た。あの女は銃を自分の目の前にずっと長いこと持っていた」と指摘した。

警官たちは、ライトさんが運転していた車のナンバープレートについた有効期限タグが期限切れだったのを理由に停車させたとされている。家族は、警察が人種的選別をもとに行動したのだと批判している。

ライトさんの母ケイティーさんは記者団に、警察に停車を命じられた息子から電話があったと明らかにした。ケイティーさんは取り調べ中の警官に電話越しに、自動車保険の情報を伝えようとしたという。

その電話で、警官たちが息子に車から出るよう命じるのが聞こえたとケイティーさんは説明。もみあう音と、警官がライトさんに電話を切るよう命令するのも聞こえたという。

電話をかけ直し続けてやっとつながると、電話に出たのは同乗していたライトさんの恋人で、撃たれたのだと聞かされたという。

「彼女が、電話を運転席に向けてくれた。そこには、息子がぐったり倒れていた」

「それが息子を見た最後だった」と、ケイティーさんは涙ながらに話した。