動物園のオランウータンに実験的ワクチン接種 米サンディエゴ

画像提供, San Diego Zoo/Jennifer MacEwen
米サンディエゴ動物園はこのほど、犬猫用に開発された新型コロナウイルスのワクチンを大型類人猿に実験的に接種した。この動物園では今年1月、ゴリラがCOVID-19に感染しているのが確認された。
オランウータン4頭とボノボ5頭に、動物用医薬品を製造しているゾエティスが開発したワクチンを2回接種した。
大型類人猿の新型ウイルス感染が確認されたのはこの動物園が初めて。検査で陽性が判明したゴリラ8頭は、現在回復しているという。
動物愛護活動家からは、新型ウイルスの大型類人猿への脅威について懸念の声が上がっている。
特に、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種を掲載した「レッドリスト」に加えられているゴリラへの影響が心配されている。
副反応みられず
サンディエゴ動物園・野生動物アライアンスのナディン・ランバースキー保護主任は、米誌ナショナル・ジオグラフィックの取材で「これは普通のことではない」と話した。
「私の職歴の中で、こんなに早く実験的ワクチンが手に入ったことはないし、こんなに使いたいと強く願うのも初めてだ」
ワクチンを接種した中には、1994年に世界で初めて開胸手術を受けたオランウータンのキャレンも含まれている。
ランバースキー氏は、ワクチン接種を受けた個体に副反応はなく、近いうちに抗体ができているかを検査すると語った。

画像提供, San Diego Zoo/Jennifer MacEwen
これまでにも、ニューヨークのブロンクス動物園ではライオンとトラが、スペインのバルセロナ動物園でもライオンが、新型ウイルスに感染している。
また、世界各地で犬や猫、フェレット、ミンクへの感染が確認されている。だが、いずれもまれなケースだ。
ゾエティスは昨年2月、香港で犬への感染が確認されたのを受け、犬と猫向けに新型ウイルスワクチンの開発を始めた。
同10月までに、犬と猫に対する安全性と有効性が確認された。
ただし今年2月まで、それ以外の動物への接種テストは行われていなかった。
ランバースキー氏は今回、類人猿への接種はリスクを取るに値すると判断したと語っている。
「我々は通常も、犬や猫向けのワクチンをライオンやトラに使っている」










