米女子体操の元五輪代表監督、性的暴行などで訴追直後に自殺

John Geddert celebrates with the US Olympic gymnast team at the London Games in 2012

画像提供, Getty Images

画像説明, ゲダート氏(左)は2012年ロンドン五輪で米女子体操チームの監督を務めた

米ミシガン州の司法当局は25日、同国のオリンピック女子体操チームの監督を務めた男性が、性的暴行と人身売買の罪で訴追された直後に自殺したと発表した。

ミシガン州のデイナ・ネセル司法長官はこの日午前、元体操指導者のジョン・ゲダート氏(63)を24件の重罪を犯した疑いで訴追したと発表した

同日午後になって、新たな声明を発表。ゲダート氏の死を確認したとし、「関係者全員にとって悲しい事件の、悲しい結末だ」と述べた。

ゲダート氏は2012年ロンドン五輪で、女子体操の米国代表チームの監督を務めた。同チームの医師で、250人以上の女子選手に性的虐待をした罪で2018年に禁錮最大300年の刑が言い渡されたラリー・ナッサー受刑者と緊密に連携していた。

ゲダート氏はかつて、ミシガン州にトレーニング施設を所有。ナッサー受刑者が医師として勤務していた。ナッサー受刑者の裁判では、証人となった数多くの体操選手らが、ゲダート氏の虐待行為を非難した。

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州司法長官事務所によると、ゲダート氏は25日午後に出頭する予定だったが、現れなかったという。

ゲダート氏の容疑

ネセル司法長官によると、ゲダート氏の容疑は「複数の若い女性に対する言語的、身体的、性的な虐待行為に関わるもの」だった。

24件の容疑事案うち2件は、13~16歳の少女の性的暴行被害の訴えに関係したものだった。

14件は人身売買に絡むものだった。ゲダート氏には、「指導していた選手たちに、けがや傷を負うような過酷な環境下で、無理やり仕事やサービスをさせた」という容疑がかけられた。

ゲダート氏は「被害者から報告を受けたそれらの負傷を無視し、強制、威嚇、脅迫や暴力によって、自らが求める水準で彼女たちに演技をさせた」と、州司法長官は声明で主張した。

ゲダート氏はまた、ナッサー受刑者による被害の訴えについて捜査が進められていた2016年に、捜査官にうそをついたとされた。

動画説明, 「治療は隠れみの」 米体操チーム元医師の性的虐待裁判で

米体操界のスキャンダル

米国体操協会は昨年1月、ナッサー受刑者の被害者グループに2億1500万ドル(約228億円)の和解金を支払う計画を発表した。

同協会のリ・リ・リオン会長兼最高経営責任者は、「選手とコミュニティーの信頼をどれほど深く裏切ったか、協会として認識しており、信頼の回復に全力を尽くす」と述べた。

しかし、米有名体操選手のシモーン・バイルズ氏(23)のように、ナッサー受刑者による虐待事件をめぐって同協会は「自らの行為に対する責任を完全には取っていない」と指摘する人もいる。

自身もナッサー受刑者の被害者だったバイルズ氏は、独立した調査が必要だと訴える。

「私たちは協会にメダルをもたらしている。自分たちの役割を果たしている。その見返りに、協会も自らの役割を果たすべきでは?」と、バイルズ氏は先週、米CBSで述べた。「まったく気分が悪い」。