メガン妃、新聞社から受けた傷は「深い」 手紙の不正利用認める判決

画像提供, PA Media
イギリス王室サセックス公爵夫人メガン妃が父親のトーマス・マークル氏への個人的な手紙を不法に掲載したとして英タブロイド紙を訴えていた裁判で、高等裁判所は11日、メガン妃の訴えを認める「略式判決」を下した。
高裁のワービー判事は、メガン妃には「手紙の内容が公にならないことを期待するだけの理由があった」と説明。「メイル・オン・サンデー」とウェブサイト「メイル・オンライン」が個人情報を不当に利用したという訴訟で略式判決を出した。これにより、訴えの一部は裁判なしで決着となる。
ワービー判事は、3月に開かれる審理でこの裁判の「今後の道筋」を決めると述べた。
メガン妃は声明で判決を歓迎すると述べた一方、この件によるダメージは「深いものだ」と話した。
これに対し、メイル・オン・サンデーとその親会社アソシエイテッド・ニュースペーパーズ(ANL)は、判決に驚いて失望していると述べている。
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メガン妃は夫ハリー王子と結婚した直後の2018年8月、マークル氏に手書きの手紙を書いた。マークル氏はイギリスで行われた結婚式には参加していない。
メイル・オン・サンデーはこの手紙の一部を、見開き2面を使った記事で掲載。「暴露:メガンと父親の仲たがい、本当の悲劇は手紙の中に 『心が引きちぎられた』」という見出しがつけられていた。
メガン妃は2019年10月に同紙を提訴した。同年2月に発表された5件の記事について、個人情報の不正使用、著作権侵害、データ保護法違反などに当たるとし、損害賠償を求めている。
ワービー判事は判決文の中で、メイル・オン・サンデーがメガン妃の手紙を公開したのは「明らかにやりすぎで不法だ」と指摘した。
「この手紙は簡単に言えば、個人的でプライベートなものだ」
「公開された内容の大半は、原告自身の振る舞いや、父親の振る舞いに対する怒り、そしてその結果起きた不和についてだった」
「これは本質的に個人的で、プライベートな問題だ」
その上で、「裁判を経てもこの判決が覆る見通しはない」と付け加えた。
また、手紙を掲載したことはメガン妃の著作権を侵害していると判断。一方で、メガン妃がこの手紙の「唯一の著者」なのか、サセックス公爵夫妻のコミュニケーション秘書を務めていたジェイソン・ナウフ氏が「共著者」に当たるのかについては、今後の審理で判断するとした。
一方、データ保護法に関しては1月の審理で取り扱われなかったため、未決着となっている。
「他人を非人間的に扱う行為」
メガン妃は声明を発表し、司法がANLに「違法かつ、非人間的な行為」の責任があると認めたことを喜んでいると述べた。
「メディアにとってはゲームだが、私やその他大勢の人にとっては現実の生活であり、現実の人間関係であり、現実に起きた悲しみです」
「彼らが私に与え、今も与え続けているダメージは深いものです」
メガン妃とハリー王子は昨年3月に王室の公務から引退。現在は第1子のアーチーちゃんと共にアメリカで暮らしている。
ANLは何と?
ANLの広報担当者は「きょうの略式判決にとても驚くとともに、完全な公開裁判で全ての証拠が検証される機会が否定されたことに失望している」と述べた。
「判決文の内容を慎重に検討し、控訴するか判断したいと思う」
ANLの弁護人は、メガン妃が「父親を省みない、愛のない娘だと批判された時の弁護のために」、「将来的に公開されることを見込んで」この手紙を書いていたと主張していた。
また、マークル氏は1月に行われたリモート審理に陳述書を提出。その中で娘との関係をめぐる「記録をはっきりさせたかった」ために、手紙の公開を望んでいたと説明した。メガン妃の弁護人はこの説明を「ばかげている」と一蹴した。
メディアが専門のマーク・スティーヴンズ弁護士は、ANLは「自分たちをより擁護してくれる判決」を求めて控訴するだろうと指摘。
「流出した手紙について報道できないとなれば、人々の責任を問い続けているメディアは立ち行かなくなるだろう。今回の判決は、広義にとらえれば、メディアに手かせをはめたようなものだ」と説明した。
さらに、個人情報の不正利用が認められた今、メガン妃はいわば「潔白を証明した」ことになると指摘。このことから、メガン妃が起訴内容の残りの部分を「早急に」取り下げるとみていると話した。
この裁判は当初、1月に正式な形で行われる予定だったが、「極秘」の理由で2021年秋まで延期された経緯がある。
サセックス公爵夫妻とメディアとの関係
ハリー王子はこの裁判が始まった当時、押し付けがましいメディアから「痛みを伴う」影響を受け、法的措置に踏み切ったと説明した。
また、母親の故ダイアナ妃についても触れ、「最も恐ろしいのは、歴史を繰り返すことだ」と話した。故ダイアナ元妃はハリー王子が12歳の時、メディアの注目を浴びた結果、交通事故で亡くなっている。
「私の愛する人が商品扱いされ、現実の人間として扱われなくなってしまうのを見てきた」
2016年には、当時交際関係にあったメガン妃に対するメディアの態度を「虐待とハラスメントの波」だと非難した。
公爵夫妻は新聞各社を相手にいくつかの訴訟を起こしている。
ハリー王子も、根拠のない記事で被害を受けたとしてANLを訴えていたが、先に謝罪と和解金を受け入れると発表。和解金を、自身が創設した、負傷退役軍人向けの国際スポーツ大会「インヴィクタス・ゲームズ」に寄付するとしている。










