米FRB、来年の経済成長を上方修正 今後数カ月は「とりわけ困難」

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アメリカの中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は16日、新型コロナウイルスの感染者が急増している一方で、同国の経済の見通しは9月以降明るくなっているとの見解を示した。
FRB当局者は来年の経済成長見通しを約4.2%とし、前回予想の約4%から引き上げた。失業率については、6.7%から5%に減少すると予想した。9月時点では5.5%に減少するとしていた。
米医療当局が新型ウイルスワクチンの配布を開始する中、最新の見通しが公表された。
FRBのジェローム・パウエル議長は、アメリカが新型ウイルスの感染急増と闘う中、企業や失業者の苦難が深まっているとし、今後数カ月間は「とりわけ困難な状況」に陥るだろうと警告した。
一方で、ワクチンが広く普及すれば2021年後半に経済が力強く回復できると期待していると述べた。
「来年の半ば頃には、人々が気持ちよく外出し、幅広い活動に従事できるようになると考えなければならない」とパウエル氏は述べた。「問題は、今後4~5カ月間だ」。
政策立案者たちは、経済回復に向けた「相当な」進展が見られるまで金利をほぼゼロに維持し、そのほかの景気刺激策を継続する方針とした。
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景気低迷
ここ数週間、消費者がレストランの利用を避け、支出が減少している。そうした中、雇用の伸びは減速し、小売売上高も減少している。
カリフォルニア州など一部の場所では、当局が厳格なロックダウンを再導入している。ニューヨーク市なども、そうした措置を講じる可能性があると警告している。
こうした状況で、政府による新型ウイルス支援が期限切れとなり、貧困率は急増している。

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パウエル氏はさらなる支援が必要と主張。議会が協議している9000億ドル(約93兆円)規模の追加支援は「相当な」支援になるとし、承認されるのを期待していると述べた。
アナリストたちはさらに、新型ウイルスワクチンがより幅広く入手可能になればアメリカ経済が回復すると期待していると話す。
「それまでは、長く憂鬱(ゆううつ)な冬が訪れるだろう」と、キャピタル・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は述べた。
「相当な」進展
経済回復が鈍化の兆しを見せる中、一部のアナリストはこれまで、FRBが金融市場の安定を維持し、家計や企業への資金繰りや信用の流れを緩和するために利用する債券購入計画を変更することで、経済への支援を強化できるのではと示唆していた。
今週の協議で、当局は米国債や不動産担保証券の購入を増やすことや、計画の構成を変更することに反対した。
しかし16日に発表されたFRBの声明は、経済目標とこの計画を結びつけ、経済回復への「相当な」進展があるまでは計画を継続するとした。
アナリストの中には、この新しい文言は計画が予想以上に長く続く可能性があると示唆していると指摘する人もいる。また、FRBがさらなる対応を取る機会を逃してしまったのではと心配する声も上がった。

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パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェパードソン氏は、「我々は近実時間データに悪化がみられることに何の言及もないことに驚いている」とした。
「予防接種が始まったことで2021年の見通しが明るくなったことは認識しているが、短期的に見れば、経済回復にはできる限りの助けが必要だ」











