バイデン氏、米財務長官にイエレン氏を指名 さらに2州がバイデン氏勝利認定

Former Federal Reserve Chair Janet Yellen speaks during a panel discussion in Atlanta, Georgia

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画像説明, ジャネット・イエレン氏の財務長官への指名は上院で承認される必要がある

アメリカのジョー・バイデン次期大統領は30日、財務長官にジャネット・イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)前議長(74)を指名すると発表した。一方、大統領選の結果をめぐってアリゾナ州とウィスコンシン州が、バイデン氏の勝利を正式に認定した。

イエレン氏の指名が上院で承認されれば、女性初の財務長官となる。イエレン氏の指名は以前から米メディアで有力視されていた。

経済担当の高官ポストには、同氏のほかにも何人かの女性が指名されている。バイデン氏の政権移行チームはほかにも、承認されれば人種の壁を破ることになる人事を予定しているという。

バイデン氏は多様性のある政権づくりを約束している。前日には、広報チーム幹部をすべて女性で固める人事を発表した

政権移行チームは、経済担当の高官人事について、「アメリカを現在の経済停滞から引き上げ、よりよい状態に再建する」ためのものだとした。

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こうした中、バイデン氏が勝利したとする大統領選の結果が、アリゾナ州とウィスコンシン州で正式に認定された。

ドナルド・トランプ大統領は両州で、結果をめぐって法廷闘争を継続するとみられている。

ただ、バイデン氏は来年1月20日の大統領就任式に向け、担当の委員会を設置するなど準備を進めている。

11月30日には、安全保障上の脅威などに関する大統領への日々の報告を、次期大統領として初めて受けた。こうした報告の共有は慣行となっているが、今回はトランプ氏が敗北を認めていないため、これまで滞っていた。

イエレン氏とは

イエレン氏は米中央銀行FRBの議長のほか、ビル・クリントン政権で大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長を務めた。

2007年の金融危機とその後の景気後退から経済を回復させたとして、手腕が評価されている。

FRB議長時代は、金融政策が国内労働者や格差に与える影響を重視していたことで知られる。

2018年にはトランプ大統領が伝統を破り、イエレン氏を議長の2期目(任期4年)に再任しなかった。クリントン氏が大統領だった1990年代以降、FRBを政争に巻き込まないため、大統領は人事に口出ししないのが慣例となっていた。

FRB議長を退いてからは、気候変動の問題や、新型コロナウイルスの影響から経済を守るための政府の対策などについて、発言してきた。

イエレン氏は財務長官への指名発表を受け、ツイッターで、「私たちは今、国家的な難題に直面している。回復には、アメリカン・ドリームの復興が必要だ。誰もが自らの可能性を生かし、子どもたちはさらに大きな夢をみることができる社会を取り戻すことだ」と主張。

「すべての人の夢の再建に向かって、財務長官として毎日努力する」と表明した。

欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、「友人であるジャネット・イエレン、米財務長官への指名おめでとう。ジャネットは知性と不屈の精神、冷静な手法で、あらゆる女性にとっての先駆者となっている。再び世界の経済問題に一緒に取り組めることを楽しみしている」とツイートした。

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上院財政委員会のチャック・グラスリー委員長(共和党)は、イエレン氏が指名承認の公聴会で、「好ましい評価を得る」ことを期待していると述べた。

アフリカ系初の高官人事も

バイデン氏の政権移行チームは、高官人事には「何人かの歴史的な先駆者」が含まれる予定だとしてきた。

今回、財務副長官にバラク・オバマ政権のスタッフだったウォリー・アデイエモ氏、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長に経済学者のセシリア・ラウス氏をそれぞれ指名。承認されれば、ともにアフリカ系として初だと、政権移行チームは述べている。

行政管理予算局(OMB)局長には、オバマ政権で医療保険制度改革(オバマケア)を生み出したニーラ・タンデン氏の起用が見込まれている。承認されれば、非白人女性および南アジア系として初めてOMBトップに就く。

Center for American Progress Action Fund president Neera Tanden speaks on the third day of the Democratic National Convention in Philadelphia, Pennsylvania, U.S. July 27, 2016.

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画像説明, ニーラ・タンデン氏はソーシャルメディアでの発言が批判されている
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ただし、タンデン氏の上院承認は難航が予想される。同氏は、ロシアのハッカーが2016年大統領選でクリントン票をトランプ票に変更したという、否定済みの陰謀論を、4年前にツイートしていたことが批判されている。

BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、タンデン氏は上院委員会で左右両派から激しく批判されるだろうと分析している。民主党内の草の根リベラル勢は、タンデン氏が進歩的な運動やバーニー・サンダース上院議員ら進歩派を声高に批判してきたことを覚えている。他方で保守派も、タンデン氏による保守派非難を嫌っているからだという。

大統領選の結果をめぐる動き

大統領選でバイデン氏の勝利が宣言されたジョージア州では、トランプ陣営が要求した再集計が2日までに終了する見通しとなっている。

同州のブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官は30日、選挙結果を覆そうとする動きについて、「大量の偽情報」を拡散する「不誠実な勢力」によるものだと批判した。

また、「荒唐無稽な主張や、部分的にしか正しくない内容、あるいは誤情報を使って、多くのトランプ支持者の気持ちにつけこんむ人たちがいる。率直に言って、そうした人たちはどうやら大統領自身にも誤解を植えつけているようだ」と述べた。

トランプ陣営は、ミシガン州とネヴァダ州でも、バイデン氏勝利の選挙結果をめぐって法廷闘争を繰り広げている。

ペンシルヴェニア、ウィスコンシン、アリゾナ、ミシガンの各州でも裁判を起こしたが、いずれも敗訴している。