北朝鮮、新型ウイルスが「黄砂とともに中国から飛来」と警告

Screenshot of KCTV about yellow virus

画像提供, KCTV

画像説明, 北朝鮮の国営テレビは、黄砂には「有毒物質やウイルス、病原微生物」が含まれていると警告した

北朝鮮は22日、中国から飛来する「黄砂」が新型コロナウイルスを運んでくる恐れがあるとして、国民に外へ出ないよう警告した。

この警告を受け、北朝鮮の首都・平壌では同日、通りから人影がほぼ消えたと報じられている。

北朝鮮は、新型ウイルスの感染者はいないと主張を続けている。1月以降、国境を厳しく封鎖し、移動を規制するなど、厳重警戒を続けている。

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季節的な現象の黄砂と、新型ウイルスによる感染症COVID-19の関連は、確認されていない。

ただ、関連があると示唆するのは北朝鮮だけではない。BBCの偽情報検証チームによると、中央アジア・トルクメニスタンも国民にマスク着用を呼びかける際、ウイルスまみれの黄砂を理由に挙げていた。同国は、新型ウイルスの流行を隠ぺいしようとしたことはないとしている。

在外公館や国際機関にも警告

国営の朝鮮中央テレビ(KCTV)は21日、特別に気象情報を伝え、翌22日に黄砂が飛来すると警告した。同時に、屋外での建設作業を全国的に禁止すると発表した。

黄砂は、特定の季節にモンゴルや中国の砂漠地帯から朝鮮半島などに吹き込む砂。北朝鮮と韓国は何年も前から、健康への悪影響がある有毒な砂の存在を不安視しており、それが砂漠の砂と混じり合っているとされる。

BBC偽情報チームによると、北朝鮮政府メディアの労働新聞は22日、砂の雲の飛来について、「すべての労働者は(中略)有害なウイルスが侵入して来る危険をはっきり認識しなくてはならない」と伝えた。

北朝鮮に置かれている大使館のいくつかは、北朝鮮政府から黄砂に対する警告を受けたと明らかにしている。

平壌にあるロシア大使館はフェイスブックの投稿で、北朝鮮外務省がロシアや他国の在外公館、国際機関に対し、黄砂について警告したと報告。22日はすべての外国人が屋内にとどまり、窓をしっかり閉じるよう勧めていたと伝えた。

黄砂はウイルスを運ぶ?

北朝鮮専門ニュースサイトのNKニュースによると、北朝鮮国営メディアは、新型ウイルスが空気感染するとの研究があることから、「黄砂の飛来を深刻に捉えるべきだ」と考えているという。

米疾病対策センター(CDC)は新型ウイルスについて、空気中に浮遊して「長時間」とどまる可能性があるとしている。ただ、そのウイルスによって感染するのは、特に屋外においては極めてまれだと指摘。主な感染方法は、せきやくしゃみ、会話などの際に飛まつを出してウイルスを広める、感染者のそばにいることだとしている。

NKニュースによると、韓国のメディアも、中国からの黄砂が北朝鮮でCOVID-19を拡大させることはありえないとしている。

北朝鮮は感染者をゼロとしているが、同国のCOVID-19に対する心配は大きく、金正恩朝鮮労働党委員長は高官レベルの会合を開いて、厳格な規制の維持に努めている。

専門家たちは、北朝鮮でこれまで感染者が1人も出ていないのは、まず考えられないとしている。

朝鮮半島の黄砂は23日までになくなり、週末の飛来もないだろうと予想されている。