英首相、冬の新型ウイルス対策を発表 「自制心と決意」求める

イギリスのボリス・ジョンソン首相は22日、新たな新型コロナウイルス対策を発表した。イングランドでは飲食店の閉店時間が早められるほか、在宅勤務が推奨される。
ジョンソン首相は、一連の施策は最長で6カ月続くと述べる一方、従わない人が多ければさらに厳しい施策を講じると警告した。
テレビ演説でジョンソン首相は、「自制心と決意」を持って対策を守るよう国民に要請。これまでも多くの市民がルールを守ってきたが、「違反者も非常に多かった」と語った。
イングランドではこれまでスーパーや公共交通機関でマスク着用が義務付けられていたが、今後はタクシーに乗る時にも拡大される。
飲食店の閉店時間の前倒しは、スコットランドやウェールズでも実施される。スコットランドでは他世帯を訪問することが禁じられるほか、北アイルランドではすでに、複数の世帯が屋内で集まることが禁止されている。
イギリスではこのところ、新型ウイルスの新規感染が急増している。ウイルス感染者1人が何人に感染させるかを示す実効生産数「R」は現在、1.1~1.4とされている。
政府の最新統計によると、22日のイギリスの新規感染者は4926人、死者は37人だった。
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「あなたのせきが誰かの死に」
ジョンソン首相はこの日、新しい施策は「力強いが適切なもの」だと説明した。
「こうした施策は必要ない、それぞれがリスクを負えば良いと言う人には、あなたのリスクはあなただけのものではないと言いたい」
「あなたのちょっとしたせきが誰かの死につながる。これがCOVID-19の残酷な現実だ」
イギリス各地で新たに実施される対策は以下の通り。
イングランド
- オフィス勤務の人は、可能な限り在宅勤務に切り替える
- マスクの着用を怠ったり7人以上で集まったりした場合の罰金を200ポンドに引き上げる
- 23日から、タクシー乗車時のマスク着用が義務付けられる
- 24日から、パブやバー、レストランではテーブルでのサービスのみが可能。テイクアウト営業も可能
- また、飲食店などの営業時間は午後10時までとなる(ラストオーダーではなく閉店時間)
- さらに、飲食店などの屋内では店員と客の双方にマスクの着用が義務付けられる(飲食時は除く)
- 28日以降、結婚式やシビル・パートナーシップの宣誓に立ち会えるのは6人以下のグループで最大15人まで。葬儀は引き続き最大30人まで参列できる
- 28日から、7人以上で行う成人の屋内スポーツは認められない
- スポーツ観戦の再開は見送られた
スコットランド
- 23日以降、他の世帯を訪問し、屋内に入ることが禁止される
- ただし、一人住まいや、大人1人と子どもだけの世帯などは除外される。同居していないカップル、子育てに関わっている祖父母、大工など家庭を訪れる職業の人も除外される
- 24日から、パブやバー、レストランの営業時間は午後10時までとなる
- ニコラ・スタージョン自治政府首相は、10月の連休に海外旅行しないよう、市民に呼びかけている
ウェールズ
- 24日から、パブやバー、レストランの営業時間は午後10時までとなる。またこの時間以降、スーパーやコンビニなどでのアルコール飲料の販売は禁止される
- パブやバー、レストランではテーブルでのサービスのみが可能
北アイルランド
- 一部の例外を除き、同居していない人と屋内で会うことは禁止される
ジョンソン首相は、国民の自由を奪うことには「精神的にも気が進まない」と述べた上で、「ここで対策を取らなければ、さらに厳しい制限が必要になる危険性がある」と説明した。
また、人々がルールに従わなければ、警察官の増派や、場合によっては軍隊の支援をあおぐことになると述べた。
「これらの簡単なルールにみんなで従えば、この冬を乗り越えられるだろう。ここから先、困難な数カ月が待っていることは間違いない。COVID-19との闘いもまだ終わっていない」
「今こそ自制心と決意、連帯を持って、この困難を乗り越えるべきだ」


スコットランドのスタージョン自治政府首相は、「ワクチンが開発されていない中、全ての国で100%元通りの生活は望めない。優先順位をつける必要がある」と述べた。
また、「きょうの発表で事態が後退したように感じるかもしれないが、スコットランドは春に比べて格段に強くなっている」と話した。
一方で、ジョンソン首相が一連の対策は最長6カ月続くと述べたのに対し、スタージョン氏は「その必要はないかもしれない」と指摘。3週間ごとに状況を見極めると付け加えた。
ウェールズのマーク・ドレイクフォード自治政府首相も、「これからの数週間、数カ月で、新型ウイルスがウェールズ各地で力を盛り返す可能性が非常に現実的になってきた。誰もそんなことは望んでいない」と述べた。
北アイルランドのアーリーン・フォスター自治政府首相は、新たなルールは2度目のロックダウンではないが、「警告」として受け入れてほしいと話した。
最大野党・労働党のジョナサン・アッシュワース影の保健相はBBCの取材に対し、労働党はこの政策を支持するとしたものの、「このような状態であるべきではなかった」と話した。
また、政府が「検査と追跡プログラムを改善していれば」、こうした制限は必要なかったと指摘した。


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