グーグルとFB、香港とのケーブル接続計画を撤回 中国の情報収集を懸念

Hong Kong skyline

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画像説明, 当初の海底データ・ケーブル計画では、米ロサンゼルスと香港を結ぶことになっていた

米グーグルとフェイスブックはこのほど、カリフォルニア州ロサンゼルスと香港を結ぶ海底データ・ケーブル計画を取り下げた。中国がこのデータ・ケーブルから情報を盗む可能性があると、米政府が懸念を示したことを受けたもの。

このパシフィック・ライト・ケーブル・ネットワーク(PLCN)計画には、フェイスブックとグーグルを含むアメリカの複数のテクノロジー企業が関わっていた。

米連邦通信委員会(FCC)に提出された8月26日付の新たな計画案によると、香港ではなくフィリピンと台湾とのみ海底ケーブルを結ぶという。

全長約1万2800キロメートルのケーブルはすでに敷設が完了しているが、運営にはFCCの許可が必要となる。

この計画が最初に発表されたのは2016年だった。グーグルは当時、このケーブルは「香港とロサンゼルス間で、高解像度(HD)ビデオ会議を同時に8000件行うのに十分な通信容量を提供」できると説明していた。

「中国の諜報機関との関係」懸念

米テクノロジー企業はパシフィック・ライト・データ社を介してこの計画に協力している。当初提案されていた案では、香港側の運営は中国最大のインターネットプロバイダーの1つの鵬博士電信伝媒集団が担うことになっていた。

米司法省は6月17日、鵬博士電信伝媒集団の事業への参加について、国家安全保障上の懸念を表明。「中国の諜報機関や安全保障サービスとの関係性」を理由に挙げた。

アメリカと中国の間では、ここ数カ月で緊張が高まっている。

グーグルの広報担当者はBBCに対し、「PLCNケーブル・システムの当初の申請が取り下げられ、アメリカ・台湾間およびアメリカ・フィリピン間の計画のために内容を修正したものが提出されているのは事実だ」と述べた。

「我々は海底ケーブルの運営許可を得るために、確立されたルートを通じて作業を継続していく」

「自国の企業の首を絞める」

英サリー大学のサイバー・セキュリティー専門家、アラン・ウッドワード教授は、今回の決定はアメリカにとって逆効果になる可能性があると述べた。

「香港がアジアのハブとなり、米テクノロジー企業がより多くのアジアの顧客を獲得できるようにするのが、香港とケーブルを結ぶことの全体的な目標だった」と、ウッドワード教授は指摘した。

「米政府はある意味、自国の企業の首を自ら絞めたと言える。米政府は中国のテクノロジー企業の影響力を心配しているが、これが米企業のアジア進出をすっかり妨げてしまっている」

FCC委員のジェフリー・スタークス氏はツイッターで、中国がこのケーブルを介するデータにアクセスするかもしれないことについて、米司法省と「懸念を共有した」とし、「今後も意見を述べていく」と記した。

ウッドワード教授は、同様のことが西側諸国でも起こることから、データ監視に関してアメリカが警戒するのは理解できるとした。

例えば、大西洋横断データケーブルがつながっている英南西部コーンウォール・ビュート近郊には、英政府通信本部(GCHQ)のオフィスがあり、その活動は機密扱いになっていると、教授は指摘した。