トランプ氏、「ホワイトパワー」と叫ぶ動画を一時リツイート

U.S. President Donald Trump walks to the White House residence after exiting Marine One on the South Lawn on June 25, 2020 in Washington, DC.

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画像説明, アメリカのドナルド・トランプ大統領は人種差別的だとして度々非難されてきた(米ワシントン、6月25日撮影)

アメリカのドナルド・トランプ大統領は28日、支持者が「ホワイトパワー(白人の力)」と大声で叫ぶ動画を一時リツイートした。「ホワイトパワー」は白人至上主義者が使用する言葉で、トランプ氏はその後投稿を削除した。大統領報道官は、トランプ氏が当該発言を聞いていなかったと釈明している。

「ホワイトパワー」と叫んでいた人物は、フロリダ州の老人ホームで開かれたトランプ氏の支持者集会に参加していた。

動画には、トランプ氏の支持者と反対派が互いに罵倒し、ののしり合う様子が映っていた。

トランプ氏は28日、この動画を「素晴らしい人々」への感謝の言葉を添えてリツイートした。集会が開かれたフロリダ州オーランド北西部の老人ホームの入居者らを指している。

また、「『急進左派の何もしない民主党』は今秋、打ち負かされるだろう。腐敗したジョーは終わりだ。近いうちに会おう!」と書いた。

Screengrab from tweet

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「ホワイトパワー」、「ナチス」と叫びあう

トランプ氏がリツイートした動画には、ゴルフカートに乗ったトランプ氏の支持者が握りこぶしを上げて「ホワイトパワー」と叫ぶ様子が含まれていた。

この支持者は、トランプ氏の反対派から人種差別主義者呼ばわりされ、冒とくされたことに対抗したようにみえる。

別の反対派は支持者集会の参加者に向かって 「ナチス」などと非難の言葉を叫んだ。

「発言を聞いていなかった」と釈明

上院で唯一の黒人共和党議員のティム・スコット氏は、28日の米CNNのインタビューで、この動画は「侮辱的」だとし、トランプ氏に投稿を削除するよう求めた。

「トランプ氏がこの動画をリツートすべきではなかったのには疑問の余地はない。削除すべきだ」

その後投稿を削除したトランプ氏は、人種間の緊張を利用しようとしているとの主張を否定した。

ホワイトハウスのジャッド・ディア副報道官は、トランプ氏は「この動画の中の1つの発言を聞いていなかった」が、「多くの支持者からのものすごい熱意」を感じたと釈明した。

米保健福祉省のアレックス・エイザー長官はCNNに対し、「大統領も政権スタッフ私も、白人至上主義を支持するようなことはしない」と述べた。

過去にも人種差別的な投稿めぐり非難

トランプ氏は過去にも、人種差別的な内容をシェアあるいは助長したとして非難に直面したことがある。

トランプ氏は2019年に有色人の女性下院議員4人に対して、「政府がまったく完全にひどいことになっている国からもともと来た」のだから、「帰って、もといた国を良くしたらどうだ」とツイートし、広く批判された。この4議員とはアレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員、ラシーダ・タリーブ議員、アヤナ・プレスリー議員、イルハン・オマール議員のこと。3人はアメリカ生まれで、4人全員が米国民だ。

アメリカでは、黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に押さえつけられ死亡したことをめぐる抗議行動が数週間続いている。こうした状況を受け、トランプ氏は5月に「略奪が始まれば、発砲が始まる」と警告するツイートを投稿した。

「略奪が始まれば、発砲が始まる」という表現は、1967年12月にフロリダ州マイアミ市警のウォルター・ヘッドリー本部長がアフリカ系市民を厳しく取り締まる際に使用したもの。ヘッドリー本部長は当時、公民権運動のデモをくいとめるため、黒人地区で警官が銃や警察犬をことさらに誇示することを奨励していた。この表現はその強硬策の一部だった。

米ツイッター社は、暴力を賛美する内容を禁止する利用規定に違反したとして、このツイートの上に警告をかぶせ、クリックしないと表示されないようにした。

ここ数週間では、新型コロナウイルスを「カンフル」と繰り返し呼んでいる。中国武術カンフーとインフルエンザを組み合わせたフレーズだが、ホワイトハウスはこの表現を使うのは人種差別的だとの主張を否定している。

ホワイトハウスのケイリー・マケナニー報道官は、「大統領は新型ウイルスの発生源が中国であるという事実を指摘している」と述べた。

こうした中、米CBSニュースの世論調査で、米国民の大半が、「白人と同じように黒人の命にも意味がある」という意味が込められたスローガン「Black Lives Matter」に賛同し、抗議行動が警察改革につながると考えているとする結果が出た。

アメリカ人の10人に6人が、トランプ氏の最近の抗議行動への対応を支持しないと回答。国民の半数以上が、トランプ氏は抗議者の懸念について十分な理解を示していないと回答している。