英イングランドで映画館や博物館が再開へ、社会的距離も短縮 7月4日から

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英イングランドでは7月4日より、映画館や博物館、美術館などの営業が再開される見通しだ。ボリス・ジョンソン英首相は23日、新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)のさらなる緩和について議会で発表する予定。
映画館などは3月21日から始まったロックダウンで休業を余儀なくされていたが、今後は安全策を施していれば営業できるようになる。
また、イングランドではこれまで他者と2メートルの間隔を空けるようアドバイスされていたが、7月4日からはこれが1メートルに短縮される予定。
これに伴い、ジョンソン首相はパブなどの営業再開についても説明するとみられている。
マット・ハンコック保健相は、イングランドの制限緩和は「明らかに順調だ」と話した一方、新しい感染者が再び増えれば制限を強化するだろうと警告した。
イギリスでは21日の新たな感染者が1000人以下と、ロックダウン開始以降で最少を記録。入院している患者は5000人を切った。
1日当たりの死者も15人と、3月15日以降で最も少なくなった。
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ジョンソン首相は22日、COVID-19戦略委員会で制限の変更について協議した。これにはパトリック・ヴァランス首席科学顧問や、クリス・ウィッティー主任医務官らも参加した。
ロックダウンからの回復計画の一環として、一部の芸術やエンターテインメント施設も7月4日から営業を再開できることになった。ただし「COVIDセキュア」であること必須となる。
職員との対面での接触を減らすために訪問者に事前にチケットを買ってもらったり、距離を空けた行列、入退場時間をずらすといった措置が必要になるという。
施設換気の改善や、受付に透明の仕切りを立てるなどして、職員のリスクを減らすことも必要だ。
パブやレストランも営業再開へ
政府はまた、ホスピタリティー業界や一部の下院議員から、2メートルという現状の社会的距離では営業が不可能なので、これを短縮するよう圧力を受けていた。
ジョンソン首相は23日の演説で、イングランドでは7月4日から他者と取るべき距離を1メートルに短縮すると発表するとみられている。
これにより、パブやレストラン、ホテル、ホステルといった施設が3カ月以上ぶりに営業を再開できる見通しだ。

一方で閣僚らは、パブやバーの客に連絡先などの登録を求め、もし感染者に接触した場合には追跡しやすくする案も、引き続き検討中だ。
パブ・チェーン「オークマン・インズ」のピーター・ボーグ・ニール最高経営責任者は、BBCラジオに対して、1メートルの社会距離でも「とても大変」だが、ほとんどのパブはそれで再開できるようになると話した。
ジョンソン首相は23日の演説で、国民保健サービス(NHS)の検査・追跡システムを使って、「目標を絞ったロックダウン」で地域的なアウトブレイクを感知・制御していくことをあらためて約束するとみられている。
首相官邸筋は、「国民の大半が新型ウイルスを制御する段階を踏んでいるので、今週、一歩先に進むことができる」と話している。
「しかし緩和すればするほど、全員が他者と距離を取るガイドラインを守ることがより重要になってくる。新型ウイルスが制御不能になるのを抑えるためなら、制限を再び強化することもいとわない」
距離の短縮には懸念の声も
政府に新型ウイルス対策を助言している科学者による調査では、社会的距離を2メートルから1メートルに縮めることで感染リスクが2~10倍に増えるとされている。
エディンバラ大学のリンダ・ボールド教授(公衆衛生学)は、学界はロックダウン緩和の速度を「非常に懸念」していると指摘。イギリスはなお、欧州各国よりも感染者が多いと話した。
BBCの報道番組「ニューズナイト」に出演したボールド教授は、「再び感染者が増えた時にそれを抑え込めると自信を持って言えるような、完全に機能する追跡システムがあるとは言えない」と懸念を示した。
社会的距離については、イングランド以外の地域は2メートルから短縮する方針は示していない。

国や地域でによって違う「社会的距離」
- 1メートル:中国、デンマーク、フランス、香港、リトアニア、シンガポール
- 1.4メートル:韓国
- 1.5メートル:オーストラリア、ベルギー、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン
- 1.8メートル:アメリカ
- 2メートル:イギリス、カナダ
世界保健機関(WHO)は、少なくとも1メートルの距離を空けるよう指導している。












