武漢の医師、新型ウイルスで数カ月闘病し死亡 SNSで当局に怒りの声
ケリー・アレン、BBCモニタリング

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中国で新型コロナウイルス感染者の治療にあたっていた医師が死亡し、当局の新型ウイルス対応に批判が集まっている。
胡衛鋒医師は、新型ウイルスの感染症COVID-19と4カ月にわたって戦った末、今月2日に死去した。
メディアで注目されたのは3月だった。治療中、「肝機能障害によって」皮膚が黒くなった。
正確な死因は公表されていない。しかし、胡氏死去のニュースを受け、中国のソーシャルメディアでは怒りの声が噴出している。
胡医師はどんな人だった?
胡氏は武漢中心医院の泌尿器科医だった。同医院はCOVID-19が最初に確認された病院だ。胡氏はそこで、患者の治療にあたっていた。
中国における新型ウイルス大流行が始まって間もない1月、検査で感染が判明。続く2カ月の間に、治療のためにいくつかの病院を転院した。
容体は3月中旬まで改善していた。だが、4月後半と5月に脳出血が起きた。

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胡氏と、同僚の心臓医、易凡氏の「新型ウイルスとの厳しい戦い」を国営メディアが4月に報じると、2人に関する情報はソーシャルメディアで急激に拡散された。
中国で人気のミニブログサイト「微博(ウェイボー)」のユーザーたちは当時、彼らの顔色が色素沈着によって変わったのを見てぼう然とした。メディアは、「肝機能の異常が原因の可能性がある」と伝えた。
2人は「黒い顔をした武漢の医師」として知られるようになった。そして、ともに一時、危篤状態にあったことから、新型ウイルスに反撃したとして、全国から称賛を浴びた。
中国共産党の青年組織、共産主義青年団は、彼らを「死と戦った天使たち」と呼んだ。微博のユーザーたちは、2人が医療現場の前線でどれほど耐えなくてはならなかったかに同情した。

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ソーシャルメディアの利用者らは当時、彼らの皮膚について、中国の前線で戦った末にできた、一生残る身体の「傷」だと話題にした。
国営の英字紙チャイナ・デイリーは、易氏は5月6日に退院したが、胡氏はついに回復しなかったようだと伝えている。
公益通報者として同じ病院で働く
環球時報など多くの中国紙は、胡氏が「李文亮氏と同じ病院で働いていた」ことに言及している。
医師だった李氏は昨年末、武漢中心医院の同僚に新型ウイルスの毒性について最初に警戒を呼びかけた。その行為から、中国の「公益通報」医師として知られるようになった。
李氏はその後に死亡。当局が李氏を叱責して黙らせようとしたことがわかると、国中に怒りが広がった。
胡氏と李氏は別の部局で勤務していたため、知り合いだったのかは不明だ。武漢中心医院では4200人以上が働いているとされる。

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胡氏と李氏が互いに相手に感染させられたかも明らかではない。2人とも1月中旬に新型ウイルスに感染した。だが、環球時報によると、病院職員の68人ほどがCOVID-19の検査で陽性と判明し、200人以上が医学観察の対象となった。
胡氏の死に対する人々の反応は、李氏のときと似ている。純粋な怒りだ。
胡氏の死因は公表されていない。だが、環球時報は「彼の状況は非常に厳しかった。彼は精神的に不安定になった」と伝えている。
何万人もの微博ユーザーは、武漢中心医院の胡衛鋒医師が死去したとするハッシュタグ(#武漢中心医院医生胡衛鋒逝世#)を使っている。死者に敬意を表すときによく使われる、ろうそくの絵文字を使っている人も多い。胡氏がどう死んだのか疑問を投げかける人や、同医院の幹部の免職を求める人もいる。
あるユーザーは、「武漢中心医院のリーダーらはいつ責任を問われるのか?」と書いた。別のユーザーは、「武漢中心医院で新型ウイルスによって医療従事者が亡くなったのはこれで5人目だ」と投稿した。
中国大陸で発禁となっている反体制の新聞、大紀元時報は、武漢中心医院の幹部の話として、同医院が「医療スタッフに対する(COVID-19の)初期の警告を厳しく抑え込み、防護なしで多数の新型ウイルス感染者と向き合うことを強いた」と報じた。
微博ユーザーの中には、胡氏が「不安定」だったとされたことを打ち消し、同医院の幹部はどんな思いでいるのかと問いかける人もいる。
透明性への疑念
胡氏の死後、武漢中心医院のデータの透明性に疑問を投げかける微博ユーザーも多い。
「武漢ではずっと前に患者がいなくなったのではなかったのか?」という投稿には、400以上の「いいね」がついた。
このことが、COVID-19の直接の影響である健康問題で治療を受けているものの、検査では陰性となっている患者はまだ数多くいるかもしれないとの警戒心を人々に生んだ。
4月27日、国家衛生健康委員会は、武漢市のすべての新型ウイルス感染患者が退院したと発表した。
武漢市で確認された新型ウイルスの感染者は5万人を超えた。武漢中心医院は、深刻な影響を受けた病院の1つだった。
国営の新華社通信は、中国で大流行が起きている間、「死者数と感染率は武漢市にある病院の中で最大だった」としている。









