イギリスで失業者向け手当ての申請が急増

画像提供, Getty Images
イギリスの国家統計局(ONS)は19日、4月に失業者向けの手当を申請した人の数が210万人に上ったと発表した。イギリスは3月末から新型コロナウイルスの流行を受けたロックダウン(都市封鎖)に入っており、4月は事業活動などがまひしていた。
統計には、ユニバーサル・クレジット(低所得者向け給付制度)と求職者手当の申請者が含まれている。そのため、失業者全員を集計しているわけではないが、雇用市場の傾向がうかがえる。
これらの手当ての申請者数は、3月から約85万6500人増えた。
一方、1~3月の失業者数は前年から5万人増の約135万人となった。失業率は3.9%と、前四半期の4%からわずかに下がっている。
ロックダウンが始まるまで、イギリスの就業者数は過去最高を記録していた。
<関連記事>
今回発表された失業者数と失業率は四半期ごとのもので、ロックダウンの第1週のみ反映している。そのため、今後さらに悪化すると予想される。
イギリス国立経済社会研究所(NIESR)のジャジト・チャダ所長は、「失業率が10%超まで急上昇するという、1990年代前半以来なかった事態も、十分あり得る」と話した。
失業者数には、一時帰休で自宅待機している人は含まれていない。
一方、1週間当たりの労働時間は過去10年で最大の落ち込みを見せたほか、2~4月の求人数も四半期ごとの統計で最も減った。
BBCのファイサル・イスラム経済担当編集長は、一般的な雇用市場に大きな縮小傾向がみられるものの、政府の前例にない支援政策の効果も盛り込まれていると指摘。もし政府の支援策がなければ、失業者数はさらに急増していただろうと述べた。
その上で、来月には状況がさらに悪化するだろうと予測。求職者が増えているにもかかわらず求人数が減っている状況や、政府の支援が終わり始める8月以降にどうなるのかなど、懸念は多いと話した。
「これまでにない危機的状況」
テリーズ・コフィー雇用・年金担当相はBBCの番組に出演し、パンデミックによって多くの人が初めて失業手当を申請したと話した。
また、失業手当は「社会保険制度の重要な部分」だと述べるとともに、新型ウイルスは「これまでにない危機的状況」を作り出しており、「失業率の急上昇に備えなければならない」と話した。
最大野党・労働党のジョナサン・レノルズ影の雇用・年金担当相も、今回の統計は「我々が直面している危機の深刻さを示している」と発言。
与党・保守党の社会保険制度が先進国の中でも遅れていると批判した上で、「アウトブレイク中に政府がこれまで実施してきた変更を、我々は支持するものの、危機の規模に対して十分ではない」と苦言した。











