トランプ大統領、WHOに最後通告 新型ウイルス対応を批判

US President Donald Trump speaks during a roundtable in the State Dining Room

画像提供, Getty Images

画像説明, ドナルド・トランプ米大統領は、世界保健機関(WHO)が中国からの「独立性を危険なほど欠いている」と批判した

アメリカのドナルド・トランプ大統領は18日夜、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長に書簡を送り、資金を恒久的に引き上げると通告した。トランプ大統領は以前から、WHOの新型コロナウイルス対策を批判している。

書簡の中でトランプ氏は30日間の期限を設け、その間にWHOに「本質的な改善」がみられなければ、何百万人もの命を危険にさらすことになり、アメリカは脱退すると書いている。

トランプ氏はこの日、WHOは「中国の操り人形だ」と持論を展開。中国が新型ウイルスのアウトブレイクを隠そうとし、WHOも中国の隠ぺいを支援したと非難した。

中国はトランプ氏のこうした非難に繰り返し反論し、自分たちは新型コロナウイルスと感染症「COVID-19」について情報を、「オープンに、透明に、責任ある形で、適切なタイミングで出してきた」と主張している。

米政府によるのWHOへの資金拠出は世界最大で、2019年は4億ドル以上とWHO予算の約15%を占めた。

トランプ氏は今年11月に再選をかけた大統領選を控えており、その新型ウイルス対策にも批判が集まっている。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(日本時間5月19日午後時点)によると、アメリカで確認された感染者数は150万人を超え、死者も9万人以上に達している。

トランプ氏の書簡の内容は?

トランプ氏はこの日、WHOをしきりに非難した後、「一目瞭然だ!」というコメントと共にツイッターで書簡を公開した。

トランプ氏は書簡で、WHOは中国からの「独立性が危険なほど欠けている」と批判した。

また、武漢で新型ウイルスが12月上旬かそれ以前から広がっていたという「信頼できる報告書」と呼ばれるものを、WHOは「一貫して無視していた」と指摘した。

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このほか、トランプ氏は次のようにWHOを批判した。

  • WHOが中国の習近平国家主席からの圧力で緊急事態宣言を遅らせたと、複数の都市が報告している
  • 中国の検閲や国際協力の欠如に関する報告がある中、WHOは中国の「透明性」を評価した
  • 中国国内で起きたとされている新型ウイルス関連の人種差別についてコメントを出さなかった
  • SARS(重症急性呼吸器症候群)流行の際にWHO事務局長を務めていたグロ・ハーレム・ブルントラント氏のように、テドロス事務局長が動いていれば、「多くの命」が助かったはずだ

総括としてトランプ氏は、テドロス氏とWHOが「繰り返し間違った判断した」せいで「世界中に大きな負担がかかった」としている。

「WHOが前に進む唯一の方法は、本当に中国からの独立を示した時だ」

その上でWHOに対し、30日以内に「大きな本質的改善」をするよう求めた。ただし、改善の詳細については明確にしていない。

変化が見られなかった場合は、アメリカは一時的に停止しているWHOへの資金拠出を恒久的に止め、「加盟について再考」するとしている。

トランプ氏は4月に、WHOへの資金拠出を停止するよう指示したと表明。アメリカは国連機関のWHOにとって最大の拠出国で、昨年はWHOの年間予算の15%弱に当たる4億ドル(約430億円)を拠出している。

ジュネーブの国連事務局では現在、WHOの最高意思決定機関の世界保健総会がビデオで開かれている。トランプ氏からの最後通告は、その総会期間中を意図したものと思われる。

総会では加盟194カ国が、WHOの事業計画や予算を検討する。今年の総会では、WHOのパンデミック対応が適切だったのかについて、調査を求める声も上がっている。

アレックス・エイザー米保健福祉長官はトランプ氏の書簡に先駆け、WHOの失策からCOVID-19は「制御不能」な状態に陥り、それによって「多くの命」が犠牲になったと総会で非難した。

一方テドロス事務局長は、WHOのパンデミック対応の点検を支持。「最速かつ的確なタイミング」で、第三者による点検と評価が実施されることになると述べた。