オバマ氏、トランプ政権の新型ウイルス対策を再び批判

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画像提供, evn

バラク・オバマ前米大統領は、新型コロナウイルスで9万人近くが死亡するという甚大な被害をアメリカが受けている最中にあって、一部の政府首脳は「指揮をとるふりすらしていない」と、言外にトランプ大統領を批判した。今年の高校や大学の卒業生に向けて16日、2つのビデオ・スピーチを祝辞として贈った。

黒人学生が多く通う複数の大学を今年の夏に卒業する学生に向けた祝辞で、オバマ氏は新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」の大発生は現在のアメリカの首脳陣にいかに問題があるかをあらわにしたと述べた。

「国のトップにいる大勢は、何をすべきか分かっていると思われていたが、実はまったくそうではなかったと、何よりもそのことが今回のパンデミック(世界的流行)で、みんなの前にさらされた」

「その大勢は、指揮をとるふりすらしていない」

オバマ氏は今月半ばにリークされた電話会議でも、トランプ政権のパンデミック対策は「まったく混乱しきったひどいものだ」と強く批判していた。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると(日本時間18日午後現在)、新型コロナウイルスの感染者と死者はアメリカ(人口3億3000万人)が世界最多で、感染が確認された人は149万人近い。そのうち8万9500人以上が亡くなっている。

動画説明, アメリカが失った6週間 新型ウイルス対策はなぜ遅れた

オバマ氏はさらに、新型ウイルスの被害がアメリカでは特に黒人コミュニティーが甚大だと述べ、「この国で黒人コミュニティーが歴史的に科せられてきた、潜在的な不平等や余計な負担が、こういう病気で浮き彫りになる」と指摘した。

アメリカでは、COVID-19を発症して、入院が必要となるほど重症化し、さらには死亡する人の中で、黒人の割合が突出して高い。

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オバマ氏はさらに、今年2月に南部ジョージア州の住宅地をジョギング中に白人親子に追跡され射殺された、アマード・アーバリーさんについても言及。アーバリーさんの事件は5月になり、現場ビデオが浮上するまで、事件が逮捕に至らなかった。

これについてオバマ氏は、「ジョギング中の黒人男性に質問して、思うとおりに答えなかったら撃ってもいいと思っている」人たちがいるという現状が、アメリカの人種不平等の実態を表していると述べた。

オバマ氏は2017年1月に退任して以降、あまり目立った活動は控えていた。またアメリカの伝統で、大統領経験者が後任を、あるいは現職が前任者を、名指しで批判したりしないというのが従来の不文律だった。

しかし、トランプ氏は様々な事柄についてことあるごとにオバマ政権批判を重ね、最近ではオバマ氏とその側近たちが自分のトランプ政権を妨害しようと「アメリカ史上最大の政治犯罪」を繰り広げてきた、「オバマゲートだ」と主張している。

オバマ氏の今回の「祝辞」について記者団に聞かれると、内容は知らないとしつつ、オバマ氏が「無能な大統領だったのは確かだ」と述べた。

オバマ氏は4月半ば、秋の大統領選でトランプ氏と争う見通しのジョー・バイデン前副大統領を支持すると表明した際、「科学を無視」する現政権や、「権力」しか興味のない与党・共和党、「腐敗していい加減で、ともかく意地悪」な政治のやり方を非難した。